クマさんのバイク専科

カンパニョーロの11段レコードチェーン強いな!

タイムのVXRSアルチウムに取り付けている、カンパニョーロの11段レコードチェーンは耐久力があるみたいです。なんてのんきなこと思っていましたけど、さすがに最近は、歯飛びこそしないけど変速の調子が今ひとつな感じになっています。インデックス変速の1段1段の切れ味無くなっています。リヤ変速機のローギヤがへの上り変速のためにレバーを押して、チェーンが目的の歯先へ移って、指先を放すタイミングが遅くなりました。シマノならレバーをしてすぐに指を離してもスッと変速してくれる感じですが、カンパニョーロは変速レバーを押したままで、変速を待つ感じで変速するのが普通になっていますが、現状ではさらに待つ感じになっています。

 

レコードチェーンへの注油は、ワコーズのBC-8ブレーキパーツクリーナーをたっぷりスプレーしてチェーンをドライブさせながらウエスで油汚れを拭き取り洗浄後、ホルメンコーレのルーべエクストリームを1コマ1コマ垂らして注油して、1分くらいなじませてから余分なオイルを拭き取り、800kmくらい走ると、再びワコーズのBC-8ブレーキパーツクリーナーを1回のクリーニングで3分の1缶の量を使って洗浄します。1年間この繰り返しで使ってきました。整備台にバイクを固定して、前後輪を取り外し、洗浄用のプーリーをリヤエンドにセットしてチェーンをかけて、チェーンをドライブしながらケミカルをスプレーして、チェーンのリンクの中にまでなじませて、さらにスプレーして油汚れを溶かします。ブレーキパーツクリーナーは即乾性があるので素早く作業します。

 

まずはウエスでチェーンの外観的な油汚れをウエスで拭き取ります。チェーンをドライブさせながら3度目のスプレーをして、溶けかかっているリンクピンやリンク、アウターとインナープレートの摺動部など、内部の油汚れをブレーキパーツクリーナーで洗い出します。かなりの量を使います。ドライブするチェーンをふいたウエスに油汚れがほとんど付かなくなるまで油汚れを落とします。ちなみに油汚れの正体は、砂や土がチェーンに付いているオイルに混ざり、さらに、チェーンのリンクピンやリンク、プレートのこすれあう部分で消耗したスチールの粉が混ざってペースト状になって研磨剤のようになっています。

 

このペースト状の油汚れがチェーンの動きの抵抗になったり、チェーンのプレート、リンクピンやリンクなど、内部で摩擦する部分をドライブしながら削り取って金属粉を生み出し、チェーンの縦方向の伸びや、横方向のたわみを大きくしていきます。いわゆるチェーンの伸びはチェーンの金属の消耗により生まれます。金属製のプレートが伸びているわけではありません。徹底したチェーン内部の油汚れの洗浄で、チェーンの縦方向の伸びはかなり抑えることができます。チェーンの伸びを測定しても5000kmくらいまでは基準内の伸びで交換が必要ない伸びでした。しかし、横方向のたわみは変速頻度にもよりますが、取り外してチェックすると、かなりヨレヨレになっていました。

 

変速レスポンスの低下の原因は縦方向の伸びと横方向のたわみのようです。調べてみると走行距離が10000km近くになっていました。歯飛びはしなくても交換時期ですね。新しいレコードチェーンに交換です。カシメタイプの専用コネクティングピンと、専用の閉鎖機構付きのチェーン工具を用意しました。チェーンはチェーンホイール側から来るチェーンの先端をアウターリンクにして、チェーンをセットして、カンパニョーロの指定するインナーギヤかけるトップギヤの状態で、下をドライブするチェーンと、上プーリートの下端との距離を確認する方法で、チェーンの長さを決めて、リヤ変速機側からくるチェーンを切って長さを調整します。アウタープレートとインナープレートを重ねて、高価なアンプルタイプコネクティングピンを、内側から外側へ向かって穴へ通します。

 

チェーン工具の閉鎖機構を解除して、ピンを通したチェーンをセットして動かないようにα型の金具を差し込みます。工具の矢の先端をピンの中心に当ててハンドルを時計方向へ締め込みます。ピンが押し込まれてアンプル部分を通過して、ピンのエンドがアウタープレートとほぼ一致す0.1mmまで押し込みます。先端のアンプル部分を取り外し、チェーン工具の閉鎖機構を閉じて、表側が矢になる方向にしてからチェーンをセットして、アンプル部分を抜いたピンの中心に矢を当てて、ハンドルを回してぴったり押し付けて、ハンドルを4分の3回転回してピンの先端をかしめてチェーンを接続します、気を使う作業です。チェーンの動きを確認して、動きが重い場合は慎重に左右方向に力を加えて動きをスムーズにします。

 

パーツディグリーザーやチェーンクリーナーをチェーンに塗って水でチェーンを洗うのは抵抗があるし、水でバイクを洗浄できない環境に住んでいるひともいます。本当はチェーンの洗浄器にワコーズのエアフィルタークリーナーを入れて、チェーンを通してドライブさせて、ブラッシングしながらチェーンの内部の油汚れを洗い出してしまうのが、もっとも中をキレイにするには効果的です。ブレーキパーツクリーナーをスプレーしてウエスで油汚れをふきとり、チェーンを洗浄するのは作業が簡単だからです。いずれにしてもオイルが溶けて流れ出してしまうので、洗浄液が乾いたら、必ずオイルを注油して、チェーンをドライブさせてチェーンの内部にまで馴染ませてから走りましょう。

 

ドライ系のオイルにはクライトックスというフッ素が含まれていて、比較的乾きの早い溶剤と一緒にチェーンに塗り、金属表面にフッ素樹脂がコーティングされて摩擦を減らします。注油後に乾いて汚れにくいのですが、チェーンのドライブ音はドライ潤滑なので大きくなります。セミウエットタイプやウエットタイプのオイルの方がチェーンのドライブ音は小さくなります。ルーベエクストリームはセミウエットタイプです。容器を動かしてオイルと真っ白い粒子を攪拌してドロドロの状態にして、チェーン1コマ1コマにたらして、1分から2分間チェーンをドライブすることで、洗浄したチェーンの金属表面にナノコーティング層を作って潤滑するし、オイルが残ってくれるので静かに潤滑してくれます。

 

ワコーズなら水置換性のあるチェーンルブかメンテルーブがチェーンの潤滑剤に適していると言われてきました。水置換性があるので洗車後にスプレーすれば金属表面に付いた水と置き換わってサビを防いで潤滑してくれます。ラスペネは浸透性があって潤滑もしますが、サラサラでチェーン用としては粘りが足りない感じです。メンテルーブは油膜をキープする力があります。最近のワコーズはフォーム状の洗浄スプレーや、チェーン専用のオイルが数種類用意されているし、チェーンルーブなども有効なようです。ではでは。