クマさんのバイク専科

百哩大王主催のフィッティングセミナー終了

毎年春先に「百哩大王センチュリーライドを走る会」というサイクリング集団の神奈川支部主催で
フィッティングセミナーを開催しています。
今年もめいっぱい頑張ってフィッティングしてきました。
1日目の10人のフィッティングで、午前中の5人でライダーの動きを見るための集中のしかたを思い出して、
それを1人1人取り組んで、夕方にはヘロヘロになりました。
今年もHさん、Iさん、Sさんお世話になりました。ありがとうございます。

集中、集中、と念じながらのフィッティングの作業になりましたが、
いつものように正面、横、脚周り中心、腕周り中心、腰の位置などをウオーミングアップ中にチェックして、
ペダリングする脚の動きを見て、腰の高さや前後位置が最適になっているかを確認します。
一旦バイクシューズを脱いでもらって、フリーな状態でその場で足踏みしてもらい、自然な足の向きを確認します。
バイクシューズのソールに固定されているクリートの前後位置や内外や取り付け角度が、
足の自然な向きに合っているかをチェックをして、修正してフィッティングは始まります。

今回は土曜日と日曜日の2日間で約20人をフィッティングします。百哩大王のメンバーやゲストの皆さんです。
みんなに共通しているのは160kmから300kmくらいを走っていたり、これから160kmを走ろうという人達です。
今回はリピーターもいましたが、初めてのフィッティングというライダーもいました。
マイバイクをアートギャラリーの中にある固定式のローラー台に水平にセットしてもらい、
外のローラー台でプレウオーミングアップしていたライダーのペダリングやフォームをチェックします。
最初はよそいきのペダリングをしていても、段々疲れてきていつものフォームになっていきます。

すぐに体にバイクを合わせる課題が見つかるライダーもいますが、段々課題が見えてくることもあります。
クリートやサドルやハンドルの位置や高さなどがフィットしていないことだけでなく、
フォームを見ているとケガや,靭帯や関節や筋肉が炎症を起こしているのが見えてくることもあります。
今回のフィッティングでも、そういう故障寸前の状態になっていて、
本来のパフォーマンスを発揮できていないライダーが2人いました。股関節周りの筋肉や靭帯などのほぐし方をアドバイスしました。
脚の痛みの発生の原因が足底筋から始まって、腸腰筋などの張りで腰にまで影響しているケースもありました。

腰の前後位置が合っていないことが原因で、首、肩こり、肩甲骨周りの張り、
腰の痛みや重さなどが発生しているケースもいっぱいいました。
ステムの長さやブラケット位置の遠さが原因と思っているひとが多かったですが、
原因は、ほとんどがサドルの固定位置で制約された腰の前後位置の問題でした。
ブラケットのグリップする位置を近づけるために、サドルを前に出し過ぎていて、
腰がパワーを発揮できる位置より前に固定されて、詰まり気味になってしまい、
上半身の背骨や腰椎を無理に曲げて、走っている間、筋肉で背骨などの曲がりを支えているので、
首、肩、肩甲骨周り、腸腰筋などが疲労して痛くなってしまうのです。

ゲストさんの女性ライダー4人はお尻が痛くなることを訴えました。
サドルはそれなりに選んだ穴あきサドルや溝付きサドルでした。
ほとんどが水平、または前上がりに設定され、
しかも、ブラケットとの距離を近くするためにサドルを前に出して固定されていました。
4人とも共通しているのが背中がブリッジになっていました。
お尻が痛くなるのを避けるために、骨盤の角度を自然な状態でなく固定して、
腰椎を曲げて、背骨もブリッジにして自分の筋肉で支え続けて走るので、
腰、背中、肩、首が異常な緊張でこったり張ったりして痛みが発生するのです。

クランクを踏めて回せる腰の位置をサドルがサポートするように前後位置を調整して、
今度はサドルの前側が下がって性器への圧迫を取り除きました。サドルの前後位置が出ていると、
かなり前下がりに設定しても腰は前へ移動しなくなります。
4人ともこの設定で痛みが解消されたはずです。ステムを交換した女性ライダーからハンドリングがクイックになって、
下りのブレーキングでハンドリングがぶれたという報告を受けました。
ステムを短くしたことでぶれが発生しているのか確認する必要がありそうです。

サドルの前後位置は修正した位置をキープしたいので、もし、システムの突き出しの長さが原因だとすれば、
リーチの短いハンドルに交換して、ステムを長くすることで対応できます。
何かありましたらフォローアップするつもりでした。下り坂でのブレーキング時のフォークの振動の原因は、
ステムを交換したさいの作業で、ヘッド小物のガタを見逃してプレッシャーキャップを締めてステムを固定した私のミスでした。
申し訳ありませんでした。
修正していただいたオーナー行きつけのショップのメカニックの方にも、主催者にもご迷惑をかけてしまいました。
重ね重ね申し訳ありませんでした。ではでは。