クマさんのバイク専科

ピナレロのパリは組み上がりました!

毎週末通っているショップの天井にぶら下がっていたイタリア製のピナレロのパリ、
なにを思ったのか衝動買いしてしまいました。
それを2日がかりで組み上げていました。
スチールフレームがオーバーサイズ化されて、アルミ合金のティグ溶接フレームが登場して、
アルミ合金の薄肉チューブがバテッド化され、オーバル加工など異形断面やテーパードチューブになり、
デダチャイもコロンブスもフレームになると1kgを切った製品が登場しました。

ところが0、5mm肉厚を下回ったアルミチューブ製で、熟練の職人の手でティグ溶接で組み上げられたフレームは、
しゃきっとした乗り味に仕上がるものの、専門の工場で組み上がったフレームは熱処理行程を経て工房へ戻されます。
手間や工賃もかかり、輸入品の価格は30万円を越えるものでした。
しかも、超軽量のアルミ合金製のフレームのレースシーンでの寿命は3ヶ月程度と言われていました。
普通にホビーレーサーが乗っても1年か2年でフレームの剛性のフィーリングが変わったり、
チューブにクラックが入る事がありました。

アルミ合金が究極まで軽量化されたころに登場したのが、ハイドロフォーミングチューブです。
アルミ合金製の肉厚のあるプレーンチューブの内圧を上げて外型に合わせて
チューブ外径や形状を変形させる工法で製造されてアルミチューブです。
ピナレロのパリはハイドロフォーミングチューブをトップチューブとダウンチューブに採用しています。
しわがよったようなアルミチューブは、オンダフォークやオンダステーと同じく、
ルックス的なインパクトはありますが、フレームの特性に関する効果はほとんどないと思います。

レース機材として、あまりに進化し過ぎたアルミ合金フレームの軽量化、一般的な使用にはデリケート過ぎるし、
ユーザーのランニングコストがかかり過ぎます。
ハイドロフォーミングチューブは肉厚が厚いので寿命が延びるだけでなく、
デザイン性が重視されて開発されていると思います。
ピナレロがまだイタリアの協力工場で作っていた頃の製品です。
ハンガーにピナレロ独自の規格が採用されていて、BB30以上のハンガー径で、
大口径のシールドベアリングを組み合わせたスクエアテーパードのハンガーシャフトキットがセットされています。

発売当初はイタリアンへのアダプターも市販されていましたが、問い合わせてみましたが、現在は手に入りません。
交換する時期が来るまでに、フレームビルダーのマツナガ氏がアダプターを考えておいてくれるようにお願いしてあります。
ヘッド小物も独自、ハンガーも独自で旧型コッタレスクランク対応、リヤエンドはショートドロプアウト、
フロント変速機はバンド止め、ダウンチューブのアウターストッパー台座も独自で、
旧モデルのカンパニョーロのカーボンクランクなどパーツを揃えたり、組み立てにはかなり手こずりました。

採用したライトスピードのチタンステムとイーストンの26.0mm径のEC90ドロップバーの組み合わせは、
シングルクランプのステムで、ドロップバーへクランプ部分を開いて通すだけで1時間もかかってしまいました。
とにかく、しっかりポジションも出したいので、シートポストのヤグラなど、色々時間がかかる加工が必要で、
結局、バーテープを巻き、組み上がるまでに2日もかかってしまいました。
今週末にはこのバイクで走る予定なので、サイクルコンピュータと炭酸ガスカートリッジ式ポンプも追加しなくちゃ。
ではでは。