クマさんのバイク専科

アールエルのソックスは日本の匠が作る!、パート1

バイク専用のソックスって、昔は老舗のプロショップのウエアコーナーに真っ白でブランドロゴが小さく入った、イタリア製やフランス製がおいてありました。パールイズミのもあったかな。
ショートたけで、薄くてカカトがすぐに消耗して透けて見えるようになったり、何度か洗うと足首のゴムが伸びてしまったり。
しかも輸入品だったからとても割高だった気がします。
女性用のショートソックスとかテニス用のソックスをはいていました。


素材はコットンや100%ウール、時々ポリエステルとコットンの混紡、アクリルとウールの混紡なんてあったな。
バイクソックスをはいた足は、紐で編み上げる革製アッパーのバイクシューズの中で、引き脚を使って上死点へ向かってペダリングするたびに、トウクリップとストラップとシュープレートで固定しているので、ヒールカップが浅く、ヒールカウンターも無くて、カカトのホールドが甘くてツルツルすべっていました。
バイクシューズはそんなものだと思っていたので気にもしていませんでした。


ところが最近手に入れたバイクソックスがどうでも良くないんだという事を教えてくれました。
日本製のアールエル(RXL)というブランドの足の形にぴったり編み上げられた超立体のソックスです。
いままでも色々工夫されたバイクソックスはありましたけど、足にぴったりフィットして、しかも爪先などに滑り止めが配されて適度な摩擦を生んでパワーロスしない感じなのです。


もちろん当時のロードのバイクシューズ選びは、少し小さめを選ぶというのがセオリーでした。
ソックスをはくのがマナーでもあるし、黒か白色のソックスを着用するのが、競技規則の服装のルールにもあった気がします。バイクシューズは基本紐の編み上げ式で、マジックテープ止めの3本ストラップはのちに登場します。ペダルシステムはトウクリップ&ストラップで、バイクシューズの基本構造も違っていまいた。


アッパーは柔らかい革製が主で、やっとナイロンメッシュに革補強のモデルが登場します。
爪先はトウクリップでホールドされ、シュープレートの溝がペダルのプレートをはさんで、トウストラップという革製のバンドで母指球の少し後ろあたりを締めて、足をペダルに固定していました。
ルックのビンディングペダルが登場して、バイクシューズの構造はソールから引かれるのでアッパーも剛性が上がり、開閉も変化し始めます。


シマノやカンパニョーロもビンディングペダルに参入します。
硬いエンジニアプラスチック製のソールに、ルック3穴と呼ばれた、3本のボルトでプラスチック製のクリートをソールへ固定する形式が一般化します。
ソールに固定されたクリートを、ビンディングペダルがキャッチする構造なので、アッパーの開閉システムは、紐ではなく3本ストラップのマジックテープ止めになります。
さらにラチェット式のバックルを採用した樹脂製ベルトをメインに、補助に1本または2本のマジックテープ止めのベルトを設けたモデルが登場。
最近では丸形のラチェット式のワイヤー巻き取り金具を採用した開閉式のモデルが登場しています。


バイクシューズの開閉部分の締め付けは、最初から強く締め付けていますが、実はロードレースの最初からゴールまで強く締めていることはなく、最後の勝負所の50kmとか、スピードの上がるセクションに入ってから締めを強くするとか、上り坂に入る前に強くしてパワーロスを無くすなど、足へのストレスがかかって痛くなったり、しびれたりしないように締めをルーズにして血流を確保しています。



基本的にはロードバイク乗りはバイクソックスをはいてからバイクシューズをはく習慣になっています。
ピストレーサーもバイクソックスをはくライダーもいますが、素足にバイクシューズが多いですね。
バイクシューズの中で足が滑るのを嫌ってのことだと思います。
スプリント系の種目の選手は、現在でもトウクリップ&ストラップのペダルを使用しています。
日本の競輪はルールでトウクリップ&ストラップのペダルシステムに決められているはずです。
UCI主催のケイリンもスプリントもビンディングペダルのシステムを使う選手は少ないです。


とにかくゴール前で時速70km、トップスピードまでの加速時には1500ワットを越えるパワーを発揮するために、激しく引き脚も使い加速するので、ペダルから足裏が浮かないように、シュープレートの溝と、ダブルストラップでバイクシューズを固定しているライダーがいます。
ぴったりサイズのスチール製のトウクリップで爪先をホールドして、母指球の後ろ当たりを、革製や革の間に伸びを防ぐ樹脂をサンドイッチしたストラップ2本で強く締めて止めやすいように、各シューズメーカーに生き残っている紐の編み上げバイクシューズが主流です。
滑りを防ぐためにパールイズミのポリウレタンシューズカバーを着ける選手もいます。
パート2へ続く、ではでは。