クマさんのバイク専科

7気圧の低い設定にはまっています!

なんで最近のチューブラータイヤはやたらに推奨空気圧が7気圧から10気圧とか、8気圧から14気圧など、上限の空気圧の設定が高くなっているのだろう。
70年代までのチューブラータイヤのコードの素材は、最上級モデルがセタ(絹)、耐久性の高いのがエジプト綿などの天然繊維のタイヤコード素材でした。
昔のチューブラータイヤでは考えられない空気圧です。


現在のチューブラータイヤのコードの素材は、化学繊維のポリエステル系やアラミド系(ナイロンやケブラー)繊維のコードでないと、こんな高圧には耐えられません。
特に抗張力が高いケブラー繊維採用のタイヤは驚異的な高圧ですね。
コードは細く、タイヤカーカスは布の2枚重ねの、コードが約45度で交差するバイアス構造(交差)で、2、54cmの範囲に300本から320本の高い密度のTPIのタイヤカーカスが採用されています。


ポリエステル系の繊維はポリコットンなどと素材表示されます。
ポリアミド系の繊維にはナイロンとかケブラーがあります。
ナイロンの中でもハイデンシティナイロンと呼ばれる高い張力に耐えられるナイロン繊維のことです。
コードを細くしてタイヤをしなやかにできます。
最近目立ってきているのがケブラーコードのタイヤカーカスです。
抗張力はハイグレードモデルはスチールを上回る素材です。言わずと知れた防弾チョッキの素材です。
そして、折り畳めるクリンチャータイヤのビードワイヤーや、耐貫通パンク性能を高めるブレイカーとしてトレッドゴムの下に埋め込まれています。


ケブラー繊維はカーボン繊維のプリプレグ(熱硬化するエポキシ樹脂を含浸させたカーボン繊維の布)の間に積層して成型され、アクシデントによる構造体の破断や破壊を防ぐ素材として採用される事もあります。
しかし、ショック吸収性の優れたケブラーでもカーボン繊維を固める樹脂が熱硬化すると、ショック吸収性を生かしきれない特性があります。


ケブラー繊維はゴムなどのしなやかな素材と組み合わせると、しなやかなまま衝撃を吸収する特性を発揮します。
防弾チョッキの素材と言っても、銃弾や爆弾の破片や刃物の貫通をメインで阻止するのは、ケブラー繊維で作られている布の積層と、ファインセラミックスコーティングされたアルミ板や、セラミックウイスカーを含有した超高強度のアルミベースの板などです。
超高速で衝突する宇宙デブリによる宇宙船の被害を最小限にする衝撃吸収材としても採用されています。
ケブラー繊維の布やコードは、高圧に耐えてしなやかさを失わないタイヤに適した素材です。


ドイツブランドのSKSのクラッシックスタイルのフロアポンプ、レンコンプレッサーを10年、20年と使い続けています。ゴム製のホースを交換すれば、本当に20年や30年は使えてしまいます。
レンコンプレッサーの何が壊れてしまうのかと言えば、空気圧のメーターの針を動かすシャフトにつながっている管が金属疲労で折れたりするくらいで、メーター部分をスペアで手に入れて直して使い続けています。


新しいレンコンプレッサーを手に入れると、ポンプを分解してチューンナップしてから使います。
シリンダーはスチール製で内側にテフロン樹脂を熱をかけてコーティングしてピストンの抵抗を減らします。
ポンプヘッドはヒラメの縦カムのモデルに交換して、ゴム系接着剤を流し込んで空気の漏れを防ぎ、ホースバンドで締めて高圧になっても抜けないようにします。
木製のグリップも補強の金属板を接着してからネジロック剤を塗ってからナットをシャフトにねじ込んで緩まないようにしています。


空気圧メーターも分解して、シャフトやギヤに耐久性のあるグリスを塗って組もどします。
こうしてチューンナップしたフロアポンプを使い続けると、微妙な空気圧調整を継続的に管理できます。
タイヤの実測寸法で21mm(22C)、21、5mm(23C)、24mm(25C)のチューブラータイヤの空気圧を管理しています。
タイヤによって設定する空気圧は違います。できれば0、2気圧くらいの単位で調整したいのですが、厳密に空気圧を設定する場合は、フロアポンプの空気圧メーターを目安にポンピングしてから、デジタルタイプの空気圧メーターで10分の1気圧単位でチェックして走りだします。


デジタルメーターの数値を参考にして、おおざっぱなフロアポンプの空気圧メーターのここに針が到達したら7気圧か、ここなら7、2気圧かと覚えて奥y灯にしています。
最近は7気圧から7、5気圧の設定がターゲットになっています。
前は8気圧だったんだけど、100km走ると路面からの振動や段差がストレスになるので、低圧設定にして快適に走るようになっています。
ヴェロフレックスのクリテリウムh23mmのしなやかな決戦タイヤ、これを使っていましたが、25mmタイヤブームに乗って、ヴェロフレックスのルーベを半年ほど使いましたが、グリップ力やショック吸収性の高さを実感できて魅力的でしたが、走りの軽さはクリテリウムなので、結局戻ってしまいました。



実寸は21、5mmと24mmですからわずか2、5mmの差ですが、タイヤとしてのトータルキャパシティの大きさは太いタイヤが優位です。
乗り味の快適性にも大きな差があります。
だから、常用するタイヤの選択に迷いました。
非力なライダーにはリム周辺重量の250gと280gの30gの差は、やっぱり踏み出しの軽さ、踏み戻しの軽さにはっきり影響します。コーナーでのグリップしている安心感、エアボリュームによるショック吸収性の魅力を、クリテリウムの走りの軽さと、グリップ力やショック吸収性のバランスを選びました。


そこで2、5mm細いタイヤのショック吸収性をカバーするために、空気圧を調整してみました。
8気圧を標準にしていましたが、7、5気圧まで下げてくると、かなり路面からの小さな振動がマイルドになって来て、段差乗り越しの角がマイルドになって、ショック吸収性がいい感じになってきました。
こうなると、もっと低くするとどうなるかなとチャレンジしたくなります。
7気圧は本当に快適です。しかしこれより低く設定すると、コーナーでタイヤサイドがよれるのではという限界を感じました。
1気圧下げて何が変わったかというとブレーキング性能です。
スピードコントロールしやすくなりましたが、停止までの距離が伸びました。


11月に入ってのマジカルミステリーツアーは、上り坂がないコースでは7気圧の設定で走っています。
ライドの後半になっても路面のデコボコによる振動が気にならなくなりました。
自分の最適な空気圧を見直して見てください。クリンチャーだと0、3気圧ぐらいで変化します。
チューブラーでは0、5気圧の差ではっきり乗り味が変わります。
ライド後半の路面からのショックがストレスと感じたら、快適走りを実現する空気圧をみつけてください。
ではでは。