クマさんのバイク専科

自転車看護女子がバイクシューズを持って来た!、パート2

自転車看護女子のクリート位置の調整!です。もちろん病室に持ち込んでもらいフィッティングを実施しました。転んでもただでは起きませんよ!。入院した病院のレントゲン技師はトライアスリートでした。個室担当の自転車看護女子もいました。旦那さんと二人でスポーツバイク、それもロードに乗っているそうです。その彼女がバイクシューズを持って来ました。バイクシューズはシマノのワイドタイプのプラスチックソールでした。アッパーは2本がマジックテープ止め、メインの1本がラチェット式のバックルタイプです。

 

ビンディングペダルもバイクシューズもシマノで問題無しのはずでした。プラスチックソールには、フローティングタイプの6度対応の黄色いシマノ純正のクリートが、3本のボルトで固定されていました。ペダルはシマノのSPD—SLの105ペダルの組み合わせでした。シマノのSPD—SLはキャッチ&リリースのすムーズさは申し分ないし、親指から小指までワイドなサポート感があって、踏み込む足が安定するロープロファイルのワイドボディ設計です。

 

しかも、メカンズム的にも信頼できます。ボールベアリングは衝撃に強いカップ&コーン形式で、球当たり調整を確実にできます。シマノのこういう頑固さはメカニックとしてもお薦めです。キャッチメカニズムのバネレートをもっとも弱く設定すれば、長く走って脚が疲れてきたときに、足を外したいとカカトを外側へ動かすように、軽く脚をひねって力を加えれば、スムーズに足の固定が解除されます。

 

本来なら、シマノのペダルとシマノのバイクシューズの組み合わせなので、申し分のないロードビンディングペダルと、少し小さいサイズのバイクシューズの組み合わせです。ところが看護女子のビンディングペダルの使用感についてお話してくれた内容に、気がかりな言葉がありました。足をペダルへセットしにくいし、ペダルの踏み面で、ペダリングしながら足をごにょごにょ動かして安定して踏める場所を探している感じだそうです。

 

確かにクリートの裏側を確認すると、ペダリング中に足を動かして妙にツルツルになっている部分がありました。踏みやすい位置を探していました。この状態では足の裏がペダルの踏み面で滑っていると感じるライダーもいるはずです。しかも、力を入れて足がカチッと固定されれば、今度は足を外すのに脚をひねる力を意識してひねらないと、足の固定が解除されないというのです。これは本当に気にかかる現象です。まずはその場で膝を上げて足踏みしてもらって、踏み込むフェーズの足の自然な向きを確認しました。

 

キャッチしにくく、強く押し込む感じでやっと固定できて、も気になりますし、脚をひねってやっと外れる感じ、そこも気になります。これは、原因に2つの事が考えられます。クリートの前後位置、内外、そして踏み込むフェーズの自然な足の向きに、クリートの取り付け角度を合っていない可能性が大きいですね。改善すればスムーズなキャッチ&リリースを実現できます。

 

もう1つ考えられるのがソールの急な反りです。もしかしたらバイクシューズが小さいサイズので、3本のネジで固定したSPD-SLの比較的面の広い樹脂製クリートを変形させてしまっていて、キャッチメカニズムに収まりにくくなっているのです。それなら、対応策としてソールとクリートの反りのギャップを埋める、硬質樹脂製のシマノのシムが必要になります。それも、後ろだけを残してカットして、テーパー状に加工して使うことになりそうです。夕方、クルマへシムのはいっているパーツケースと、加工用の工具を取りに行きました。

 

シムはクリートと同じ形をした、1mmと2mmの薄い板状のもので、クリートを固定する3本ボルトに対応しています。前半分を切って、切り口をスロープ状に削ってしまい、後ろ2本止めの部分だけに加工しました。シマノのクリートの後半と反りのきついソールとのギャップを、1mm厚のシマノの純正シムで埋めました。これで3本のボルトを締め込んでクリートは変形しませんからキャッチはスムーズです。

 

自転車看護師女子さんに、病死値でその場で足踏みしてもらい、時計の文字盤に例えて、足が12時から3時の位置までの、踏み込むフェーズでの足の自然な向きを確認して、その足の向きに合わせて、クリートの取り付け角度を調整する必要があります。少し重い負荷を想定して、足踏みの足の向きや、自然な足の向きを頭の中に残像を残して、1mm単位以下廼移動量で、クリートの前後無地租と、取り付け角度を微調整して対応しました。このセッティングで明日の朝、出勤前に旦那さんと走ってみるそうです。最初のキャッチからスムーズになっているはずです。リリースも無理なく軽く、思い通りに外れるようになります。

 

そして、踏み込む自然な足の向きに対応していますから、膝関節や筋肉や靭帯へのペダリングによる、脚のひねりの動作によるストレスもなくなります。長く走っても踏み込む足が安定してペダルを踏み下ろせ、膝から下の筋肉への負荷も少なくなって、快適にペダリングできるように設定してからお渡ししました。夕方出勤したらクリートの設定の感想を聞かせてください。笑顔が見られると嬉しいな。ではでは。