クマさんのバイク専科

やっぱりローターのQリングの使いこなしが面白い!

 

ローターのオーバルギヤを使っているライダーは多い。今更何を言ってるのって感じだろうけど、スペインのローターのオーバルチェーンリングのQリングとCNC切削加工クランクが面白いですね。本格的に使ってみたいと思っています。だから色々オーバルぎやならではのウイークポイントを克服する工夫をしてみました。5アームや4アームのシマノとカンパニョーロ用や、ロータークランクダイレクトのギヤも用意されています。オーバルの激しいモデル、さらには真円のリングも登場しています。オーバルギヤの効果は確かに感じます。

 

Qリングもそうですが、アブソリュートブラックのオーバルギヤセットもボクにとっては、真円ギャと比較して回しやすくなってトルクの必要な場面での、踏み味の軽さの変化は効果的でした。いずれにしてもオーバルギヤの採用で気になるのは、歯先の高さが変化するので、フロント変速機のチェーンケージとの間隔が変化して、フロント変速のスムーズさと、チェーン落ちしないかと言うこと。

 

フロント変速機の取り付けと調整は、真円ギヤと同じ歯数でも上下の位置を見直す必要があります。そのままの設定だと、オーバルギヤのピークの位置が高くなるから、アウターギヤの歯先と、フロント変速機の外側のチェーンケージの下端と接触してしまいます。アウターのオーバルギヤのピークの位置の歯先と、外側チェーンケージの下端との間隔を1.5 mm になるように、固定ボルトを緩めて、フロント変速機を上下へ動かして高さを微調整します。

 

同時の外側チェーンケージの向きを微調整して、アウターギヤの面と外側チェーンケージの直線部分を同一面の平行にセットします。この2つの要素を調整できたら、内外へのチェーンケージの移動幅を、トップとローの2本のボルトでストロークの限界点を調整します。インナーギヤ側のストローク調整は、インナーギヤ×ローギヤへチェーンをかけて、その斜めになったチェーンと、インナーギヤ側へ変速した内側チェーンケージのプレートの内側との間隔を確認して、内側チェーンケージの内側とチェーンとの間隔を、ぎりぎり接触しない状態に調整します。その目安は00.5mmで、ロー側のストローク調整ボルトを回して調整します。

 

シマノの最新モデルのメカニカルのフロント変速機の場合は、ブレーキレバーを兼ねる大変速レバーには、インナーギヤからアウターギヤへの変速は大きく内側へ大変速レバーを押す、1クリックのみのアクションだ。インナーギヤ側へ変速する小変速レバーには、アウターギヤ・トップトリム・ローギヤ・ロートリムの4段階のポジションが設定されている。小変速レバーを軽く小さく内側へ押すと、チェーンケージはわずかに内側へ移動して、アウターギヤで、フリー側は7・8・9・1011(ローギヤ)段目に変速した時のチェーンタッチを解消するトップトリム操作になる。

 

アウターギヤの位置から小変速レバーを深く内側へ押すと、トップトリムの位置のクリックを通り越してインナーギヤに変速する。内側に移動したチェーンケージの位置は、フリーのトップギヤから6段目までのスプロケットをドライブするチェーンとのチェーンタッチが起こらない位置になる。アウターギヤ(トップ)の位置からの1回目の小変速レバーを内側へ押す変速のアクションでは、チェーンケージをわずかに内側へ動かすトップトリムか、ローギヤまでの2段階までの変速をできる。

 

トップトリムの位置で、小変速レバーを軽く内側へ押すと、インナーギヤの位置に変速できる。小変速レバーを深く押すとローギヤのクリック位置を通り過ぎてロートリムに変速できる。ロートリムのチェーンケージの位置は、フロントがインナーギヤで、フリーの7・8・9・10・11段目をドライブするチェーンとタッチしないチェーンケージの位置になる。

 

とにかくオーバルギヤを採用して、変速のスムーズさやチェーン落ちを解消するには、取り付ける高さ、向き、内外のストロークなど、細かい調整に取り組む必要があります。それに物理的にチェーン落ちをしないように補助する小物として、チェーンウオッチャーの取り付けも検討しょう。フロント変速機のチェーンケージの後ろ端がアウターギヤの歯先から大きく離れている場合は、直付け台座トフロント変速機の間へセットして、取り付け角度を調整するシムが純正品で用意されている。

 

Qリングは、踏み込む脚がもっともパワーを発揮できる、上死点から75度の位置から110度のクランクの位置で、オーバルギヤは歯先が高い(ピーク)の踏み味が重い状態になったときに、クランクが脚の力を発揮しやすい、踏み込める位置にクランクがくるように設計されます。クランクが回転して下死点を過ぎると歯先が低い踏み味の軽い状態になって、脚がパワーを発揮できないクランクの位置を素早く過ぎてくれて、回して踏める状態でペダリングできるというのが、Qリングのロード&トライアスロン用モデルの基本コンセプトです。この理論は昔からオーバルギヤで提唱されていました。

 

5アームのクランクに対応しているQリングには、ピークの位置とクランクの位置関係を変える、5つの穴が設定されています。右クランクの延長線上にあるアームは、Qリングには、そのアームへ固定する位置の基準になる穴が、1・2・3・4・5ある。1・3・5の3つ続きの穴と、その3つの穴の反対側、180度の位置に2・4の2つ固定穴が設定されています。3つの穴のある側の中央の3番の穴を、5アームのクランクの延長線上のアームにセットするのが基本セッティングで、アウターギヤもインナーギヤも、オーバルギヤの歯先の高い頂点が上死点の時に、クランクの位置は90度よりわずかに下がった位置関係になります。

 

3穴の方が左から1・3・5の穴になります。180度反対側の2穴が左から2・4の穴です。アウターギヤもインナーギヤも、3の穴の位置を基準とすれば、左側の1の穴でチェーンリングをクランクの延長線のアームへ固定すると、ピークの位置が3の穴より大きく遅くなり、チェーンリングを180度動かして、2の穴にすると少しピークの位置が遅くなります。

 

2の穴の右隣にある4の穴で固定するとピークの位置は少し早くなり、再びチェーンリングを180度もどして5の穴に固定すると、さらにピークの位置は早くなります。クランクの位置とオーバルギヤのピークの位置関係を微調整して、踏み味をライダーに合わせて変えることができて、ペダリング効率を高めることができるというオーバルギヤが、自分の走りにあっているか試してみてはどうかな〜。色々試してみましたが、インナーギヤ側がとてもいい感じで回りました。

 

そこで、インナーギヤだけ採用しようとセットすると、フロントを変速して移動するチェーンと歯先の位置のズレが発生して、内外での変速時にチェーン落ちのトラブルの原因になってしまいました。アウターギヤとインナーギヤと同時に交換することをお勧めします。ではでは。