職人マツナガ通信

6月16日

摩訶不思議。
ここのところ、自転車稼業三十年、
未だに経験したことないメカトラブルが続きます。
自転車の変速機能は、
ギャにかかっているチェーンを、
変速機で強引に脱線させてギャをかえていく、というとても原始的な機構です。
ワイヤーを引っ張れば、変速機が動く。
ワイヤーの張力を張りすぎればオーバーシフト気味に、
張力がよわいと、変速しなくなります。
こんなに単純な機構なのですが、これが決まらない時がある。
機構は簡単なのですが要因が、これまた、いろいろあります。
ワイヤー内部の抵抗、
ワイヤーの長さの問題、
フレームとの設計相性、
リアディレラーブラケットの曲がり、
変速レバーの故障、
スプロケットの歯の変形、
チェーンのコマの変形、
などなど、多岐にわたります。
今回、あらたに要因が一つ加わりました。
スプロケットの不良。
新規の完成車組で、すべて全て新品の組み合わせで調整をしたのです、
これが決まらない。
考えられる要因をひとつひとつ、つぶしていったのですが、わからない。
これも、この程度で治めてしまえば、いいような誤差かもしれませんが、
どうにも納得できない。
メーカーに問い合わせて、
このような症状が出たことがないか、
組み合わせ方で、不具合がでることがないか等を確認をしてみましたが、
さしたる原因はみつからず。
工業製品なので100%ということはないので、念のため同商品スプロケットの別の物で試して欲しいという見解をもらいました。
そこで、全く同じ商品を入れ替えて試してみると、
ピッタリと決まりました。
新品のスプロケットに問題があったのは初めてです。
だめだった、スプロケットを見ても、
歯に変形はありませんし、全くの未使用品。
どうして、ああいう症状がでるのか、理解できず。
あ~、摩訶不思議。
メーカーに送り返すのですが、是非原因の見解をききたいです。