職人マツナガ通信

11月19日

設計。
滋賀県あらため、愛知の流浪の研究者Oさんのフレーム設計です。
折しも本日、出張のついでにご来店をいただき、詳細を打ち合わせすることができました。
企画書からおこした製作予定を、
より鮮明にすることができました。
ご希望の細身でホリゾンタルな、
ちょっとクラッシックなフォルムが最重要。
ホリゾンタル設計するときに、
どうしてもつきまうとう問題があります。
シートピラーとヘッドスペーサーの突き出し量の相関関係。
ホリゾンタルというのは、トップチューブが地面と平行となるフォルムです。
ホリゾンタルフレームの場合、シートチューブ縁より、シートピラーが150mmほどでているとカッコよくなります。
ここで、サドル高とハンドル高の落差がヨーロッパのプロのようにものすごくあれば問題ないのですが、
ツーリストやサンデーライダーのように、あまり落差がないポジションを出そうとすると、
ステムの下に入れるコラムスペーサーをたくさんいれなければならなく、
結果ハンドル回りが、ろくろっくびみたくなってしまい、あまりカッコよくみえなくなってしまいます。
じゃあ、コラムスペーサーをすくなくすべく、
ヘッドチューブをのばしていくと、
あわせてトップチューブも上がっていくので、
今度はピラーの出方が短くなってしまいます。
これは、ボク自身のフレームを作るときに毎度悩まされていたことで、
如何にしたら、カッコよくハンドル高とサドル高の落差のない設計かできるか、というテーマでした。
そこへ現れた救世主が、スローピングフォルムでした。
ヘッドチューブをのばし、シートチューブを下げて作ることにより、
ステム下は短くでき、ピラー長も長くでき、めでたし、めでたしとなります。
が、しかし、トップチューブは斜めにおりてしまい、
昔ながらの自転車のフォルムはできない、という問題がでます。
今のところ、このどちらかを選ぶしかないんです。
Oさんに確認をしたところ、
トップチューブ平行に軍配があがり、
多少ピラーの出方は犠牲になってもよい、ということになりました。
こういう条件下で、できるだけカッコよくみえるように、いろいろ数字を調整して設計してみます。