職人マツナガ通信

3月23日

レーザー。
チネリから往年の名作レーザーが、
カーボン素材で復刻されました。
たしかにフィン状の接合部の形状などは、
鉄でつくるよりカーボンの型による成型の方が理にかなっていると思います。
好き嫌いは別として。
ボクがイタリアで仕事をしていたとき、
レーザーを作っているところに居合わせたことがありました。
当時はクロモリのチューブをつきあわせて溶接した上に、
薄い鉄板をローづけして、さらにそれにロー盛りをして、
ヤスリで仕上げて、きれいなフィン状の形状にしていました。
その現場での思い出です。
チームビルダーと実際に作業をするビルダーが、
そのフィンの形状について口論をしていました。
どうも、チーフビルダーが指示したとおりに、なっていないようで。
その口論がだんだんヒートアップしてきて、
ついに、チーフビルダーがぶち切れて、近くにあるハンマー(鉄ハンマー!)をぶん投げてでていってしまいました。
”なんで、いっているとおりできなんだよ!” てな事だったと思います。
作業を担当するビルダーも、
いわれたとおりやってんじゃねえかよ、やってらんねえよ! てな事をいったとおもうのですが、
こちらも頭にきてさっさと帰っていってしまいました。
見ているボクは目点状態でしたが、
他のスタッフは、またか、というような感じであわてていませんでした。
心配した翌日ですが、二人とも何もなかったかのように、普通に仕事をはじめていました。
まあ、ものつくりの現場というのはこういうもんなんだなぁ、と学んだのと同時に、
こんな関係をうらやましくも思いましたっけ。