職人マツナガ通信

5月16日

応用問題。
海外アドベンチャーサイクリング向け用バイクのご注文をいただいていたMさんの、
チタンフレームが仕上がってきました。
さて、ここで応用問題です。
キャリア用ダボ’(ネジ穴)がついていないこのフレームに、
Mさんのご用途では、リアキャリアが必須。
さて如何にとりつけるか。
当然フレームを受注したときに、想定して準備はするのですが、
いざ組立になれば、想定通りにいかないのは、想定内。
ハブ軸に噛ませるダボ付きリアエンドアダプターを使う予定でしたが、
チタン製のリアエンドには、補強のリブが入っていて使うことができませんでした。
さて、どうしよう。
まずは、リアエンドアダプターをクラック状に曲げて、リブをジャンプさせる。
かなり小さいものなので、これをクランク状に曲げるのは無理かなとおもいつつ、
とにかくチャレンジ。
自分の経験で、やってみなきゃわからない。
何とか曲げられたけれど、やはり干渉してしまい、ダメ。
ダボ穴を使わないキャリアに変更するか。
しかし、このタイプのキャリアは重量が重くなり、Mさんい却下。
ん~、どーしよう、どーしよう。
この間にも時間は流れます。
時間の切り売り業としては、早く最善の結論を出さなければなりません。
で、ひらめいた。
リアエンドアダプターの内側に、クイックシャフトのロックナット側を薄く削ってローづけ(溶接)すれば、
リブをジャンプでき、エンド当たり面も滑らずにセットできるでしょう。
早速ロックナットを旋盤で薄く削り、アダプタにローづけする。
ん~、OK、OK、実用性OK、見た目OK、使いやすさOK、
これはうまくいく予感。