職人マツナガ通信

6月9日

ボスフリー抜き。
ふる~いタイプのホィールのリム交換作業がはいりました。
ホィールをばらすために、スプロケットをとらなければなりません。
フリーホィールボディの形式が、今風のカセットタイプでなく、
ボスタイプとよばれている、フリーホィールそのものをねじ込むタイプです。
ボクがスポーツバイクを始めた頃、45年前くらいに主流だったタイプです。
このフリーホィールを抜く場合、各メーカーそれぞれ専用の工具が必要となります。
このホィールについているフリーホィールは、REGINA(レジナ)、5段ギャです!
レジナはイタリアの会社で、ボスフリーでは一世を風靡したブランドです。
いつの間にか聞かなくなってしまいました。
インターネットで調べたら今でも会社はつづいていて、自転車部品から撤退をしていました。
フリーホィールの表面を見てみると、2カ所切りかきがあり、これは2本爪タイプの工具で取り外します。
古い道具をいれてある、工具箱からゴソゴソとあう工具を探します。
工具をみつけて、フリーホィールにあててみると、2本ある切りかきの1カ所がすでに、壊れている。
ラスペネオイルをいれて、慎重に工具を1カ所に切りかきにあてて、まわしてみる。
ボリボリという感じで、引っかかっていた切りかきが崩れてしまった。
やはり1カ所では無理のよう。
ではということで、リューターを使い、生きていた切りかきを削っていき、2カ所工具が引っかかるように加工。
それでやってみる。
やはり爪が負けて、くだけてしまう。これはもう相当古いパーツなので、もろくなっているのでしょう。
スタンダードなやり方では、全く歯が立たず。
ここまで、外すための爪が壊れてしまったのでは、とれたとしても再利用は不可能。
オーナーに、フリーボディを壊してはずしてもいいかを確認、了承をえる。
まず、フリーボディについている歯を外します。
次に、フリーボディ表面のフタを、ポンチでたたいて外します。
すると、フリーになっていた部分がはずれて、
ハブにくっついている部分のみがハブにのこります。
これを、まわせる工具を探し出し、エイ、ヤッと外します。
工具に相当長いモーメントレバーを差し込み、なんとか外せました。
ふ~、フリーホィール一つ外すのに、ながい旅路でした。