職人マツナガ通信

10月28日

難攻不落。
ここのところ、修理三昧として、いろいろな修理作業を書かせて頂きましたが、
本当に日々、いろいろな症状のバイクがお持ちこみされます。
自転車の構造は、非常に単純とおもいますが、
使われ方が激しいといういか、負荷が大きいためか、
結構なダメージが発生します。
そういう物理的要因とあわせて、
最近の電動化、カーボン化、軽量化など、
構造的な要因もあり、昔より故障の箇所や内容が複雑化している気がします。
今までの経験だけをたよりにしていたのでは直せないですね。

上がらない、落ちないというフロン変速機の不調でお持ち込みされたバイク。
都度都度調整をすると直るのですが、
またすぐに不調となりもどってきてしまう症状。
やっかいなのは、ずっと不調ではなく、時々不調となる事。
よくよく調べていくと、フロント変速機の外プレートをおさえている部分の接着剥がれということがわかりました。
不調の原因は、ここの接着がはずれて、外プレートと内プレートの幅がひらいてしまうことでした。
外プレートをカーボン化するための構造なのでしょうが、
昔の設計では考えられないつくりですね。
アヘッド構造、BB圧入ベアリング構造、ハブの圧入ベアリング構造、
これは進化といえるのか、
四十年近く自転車を触っている身としては、ちょっと疑問です。