職人マツナガ通信

2002年 2月27日

今日の定休日もたのしいオシゴトです。
今月は28日しかないのですよね、通常月とたった2,3日の違いですが、今のボクにはあるとないとじゃ、雲泥の差かな。
今日は注文を頂いていオーダーフレーム下準備を、すべてシャットアウトでモクモクとこなしました。
 
よく雑誌などで、フレームビルダーを紹介されるときって、治具を前にフレームのかたちになったものを溶接しているショットの画像が多いと思いますが、フレーム作りでは、あの作業はクライマックスのほんの一部分で、その他の下ごしらえや仕上げ作業が大部分をしめるんですね。
地味ですよ、下ごしらえの作業は。
旋盤でただのパイプをそぎ落として、ラグの肉厚をオーナーにあわせてせ、て一つ一つ削っていく作業や。
ラグの突き合わせを、フライス盤で、やはりオーナーの図面どおりに、一つ一つ切削していく。
 
その作業だけ見ていると、とても自転車を作っているとはわからないと思います。
でも、この作業をきっちりやっておかないと、フレームの形には絶対できないのですよね。
(料理なんかもそういう感じがしますよね、下ごしらえが大変そう)
ボクは、こういう一見何ができるのか想像ができない作業を繰り返していき、ある時パッとフレームの方になっていく行程って好きです。
最初は何もない状態からものができあがってくるうれしさって、これだけは、モノ作りの仕事したヒトしかわからない愉しみかな、イッヒッヒ。
 
ボクがフレーム作りの仕事ですごく気に入っているのは、そのほとんどが自分でできるということです。
設計、素材選び、実際の製作作業、最終の仕上げ(パーツ組み付け)、唯一できないのは塗装作業だけで、後の作業はほとんど一人でやれます。
(でも、ヨーロッパでは、フレームデザイナー、フレームビルダー、組立、としっかり分業がされてました。)
考えてみるとこういう仕事って世の中に少ないじゃないですかね。
多くの仕事は、建築家と大工さんというようにデザイナーと製作者が分業されているじゃないでしょうか。
まあ、製作物の大きさにもよるのでしょうが。
いいのか、わるいのか、独りでモクモクとモノ作っていると、なんともいえぬ充実感が・・・・・。