職人マツナガ通信

2月17日

プロジェクトMを駆るトーキョーのMさんからオーダーピラーのご注文です。
その昔一世を風靡したシュパーブプロのがん首を使ったカーボンピラーです。
1980年代でしょうかね、当時シマノ対しマエダ工業がコンポーネントメーカーとして頑張っていた頃。
シマノのデュラーエースに対して、マエダのシュパーブプロというコンポーネントシリーズがありました。
今のようにシマノさん一社という独占状態ではなく、メーカーが競い合ういい時代でした。
そのシュパーブプロシリーズの中のピラーも、二本締めのいい構造で人気がありました。
当時アマンダスポーツで仕事をしていましたが。
たしかマエダ工業さんが、このがん首だけで販売をしてくれていたので、
このがん首をつかって、当時まだマスプロメーカーではなかった、カーボンピラーをつくっていました。
その後は、いろいろなピラーのがん首をつかって、オリジナルピラーをつくっていましたが、
最近はかなりのメーカーがカーボンピラーをつくっているので、もうオリジナルをつくるのは止めました。
そんななか、Mさんからシュパーブプロのがん首を使ったピラーが欲しいといわれて、
さすがに、新品のがん首はないですが、
ボクのコレクションボックスの中から、まだ使える中古のものを見つけました。
これでつくることに。
昔、できたオリジナルカーボンピラーをみて、
ただ、つけるだけじゃん、と言ったスタッフがいましたが。
ただ、つけるだけではないんですね。
まず、がん首の接着部分の外径とカーボンチューブの内径を合わせなければなりません。
この削り込みが結構大変なのです。
異形をしたがん首をどうやって旋盤でくわえるか。
時には専用の治具をつくったりしてやったこともあります。
今回は一本だけなので、治具をつくらずにすむ方法を考えてやりました。
はめあいをバッチリ合わせ接着をして、
さらに、カーボンチューブの内側の、
シートクランプがくる位置に、カーボンの補強チューブを接着してできあがりです。
久しぶりに見たなぁ、シュパーブカーボンピラー。
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