職人マツナガ通信

3月15日

FさんのプロジェクトM、本日納車です。
ローラーにセットして、ポジションをチェック。
そうして、つきでたステアリングコラムをカット!
カットするときに気づいたのですが。
ステムがENVEのエアロロードステム。
このステム、ステム角度を、シムをいれることにより、-12°、-17°、-7°と可変できる構造。
それはいいのですが、ステムのトップキャップ形状自体がエアロということで、まん丸ではありません。
なので、ステムを下げたいときに、スペーサーを上にもってくると、オリジナルのトップキャップが使えなくなってしまいます。
見た目も、ちょっとカッコ悪く。
Fさんに、その旨を説明して、精確にポジションが決まったら、再度コラムカットをしましょう、っということに。

これとは、ちょっと事情が違うのですが。
同じような問題が。
本日納車のデローザアイドルディスク。
こちらは、ハンドルからでる、ブレーキホース、シフトレバーケーブル、がすべてハンドルを通って、さらにステムの中を通ってはわせる、
完全内蔵タイプ。
この形式になると、もうステムの高さは100%調整できなくなります。
ステムの下に入っているコラムを抜いて、ステアリングコラムをカットすれば、下げることはできます。
しかし、通常のアヘッドステムのように、下にあるコラムを上にあげて、ステムを下げたり。
逆に、上にあるコラムを下に入れて、ステムを上げたり、という調整ができません。
見た目には、大変スッキリして、カッコよくはなるのですが。

今はほとんど使われなくなってしまったクイル型ステム。
縦軸と横軸がつながったL字型のステムです。


このステムが主流だったことは、突き出し長さが5mm刻みで用意されるのが普通でした。
高さも、ネジ一本緩めることで、縦軸の長さの分だけ何ミリでも上下できました。
しかし、アヘッドステム主流になると、突き出し長さがほとんどが10mm刻みに。
(SBTMでは、なんとか5mm刻みの商品をみつけてそろえています)
上下の調整も、ステアリングコラムの長さ分だけとなり。
そうして昨今、ケーブルフル内蔵のフレームは、ステムの上下が調整できない構造に。
こうして見ると、進化しているのか退化しているのかよくわからなくなります。
見た目には進化にみえますが。
ボクが考える自転車本来の、乗り手に自転車をあわせる、という考えには退化しているように思えるんですけどね。