職人マツナガ通信

7月16日

ボスタイプフリー抜き。
めおとサイクリストのMさんからお受けした、ホィールの修理。
リム、スポークの交換ということで、スポーク長を計算しなければなりません。
ハブの精確な寸法をはかるために、まずはフリーを抜きます。
ボスタイプのフリー抜き、これが、なかなか強敵な作業です。
昔は、今のカセットタイプのフリーなどなく、すべてボスタイプでした。
この作業では、何度もく苦汁をのまされてきましたっけ。
これを抜くには、専用工具がいります。
フリーのメーカーにより工具の歯が引っかかる形状が違うんですね。
まずは、ボクの工具箱から、コレクションしてきたフリー抜き工具をすべて出して、適合する形のものを選びます。
イタリー製レジナのフリーに合うものがあるか。
レジナ製ではありませんが、何とか合うものがありました。
これを、クイックレバーをつかって、フリーボディのセットします。
普通は、この状態で、モンキーレンチなどで工具をはさみ、
ねじ込まれているフリーボディをはずすのですが。
このねじ込みの力が半端でない。
さらに、ねじの部分にグリスが残っていなければ、固着してしまって、とても普通の力では動かない。
そこで、ボクのやり方は、アマンダスポーツで教わった、
万力で工具を抑えて、ホィール全体をまして取る方法です。
これが一番力がかかる方法とおもります。
このMさんのホィールも、四十年おそらく、外したことがないと思いますので、
果たして、外れるのか。
以前、同じようなヴィンテージホィールのスポーク交換作業をやったときは。
もう、どうにもこうにもフリーボディが動かず、仕方がないので、フリーボディを壊してとったことがあります。
慎重に、慎重に力を入れてきます。
やっぱりびくとしないです。
ラスペネオイルをじゃぶじゃぶ浸透させてて、もう一度ホィールを回します。
すると、ヌルっという感触。
う、動いた・・・・・。
普通は、一番最初に動き出すのが大変で、一度動き出すとあとは、スルスルと動くのですが。
今回は、完全抜けるまでかたかったです、おそるべし四十年の呪縛。
まぁ、とにかく、無事に抜けてよかったです。