職人マツナガ通信

7月19日

TIME RX INSTINCTを駆るOさんより、
かねてからサドルをもっと後ろに引けないかっといご相談を受けていた。
RXインスティンクトは、エアロ形状のシートチューブのため、専用ピラーっとなっています。
なので、別の後ろに引けるピラーに交換っというわけにはいきません。
以前にも、同じようなリクエストを受けて考えたのですが、いいアイデアは浮かばずでした。
今回も、Oさんには、ちょっと無理かな、という返答をしていました。
そのOさん、本日バーテープ交換でご来店。
だめで、もともと、という感じで現物を再確認。
フレームから取り外して、眺めて考える。
丸いピラーをエアロチューブに入れて、空いた隙間にアルミに削り出しをいれるか。
後ろに引けるピラーのアルミのやぐら部分だけを切り取って、タイムのピラー軸に接着するか。
サドルのやぐらを上から押さえている丸棒の溝をもう少し削りこめば、3~4㎜くらいは後ろに引けるか。
どれも、いまいち、な考え。
あきらめムードで、現物をながめていると、フッと気が付いた。
サドルのやぐらを上から抑えている丸棒がもう少し後ろにずれれば、サドルも後ろに引ける。
それでは、やぐらをおさえている、丸棒をもっと後方へ移せるべく、丸棒そのものを他のものに変えてしまえないか。
ピカピカ、ピカッとひらめいた。
たしか、同じような二本締めのピラーのジャンクパーツがあったはず。
ジャンクボックスを探すと、ありました、ありました。
やぐらを上から押すパーツをみてみると、板状のもので、タイムのピラーにあててみると、
あきらかに、今のものよりは後ろにいく!
早速その板をはずして、タイムのピラーにつけみてる。
しかし、なんと、タイムのピラーの二本締めのねじの、前側のねじが7㎜のねじ!
通常は、6㎜のねじが二本使われている。
そのまま、板状のかぶせを使おうとおもいましたが、使えず。
板についている目ねじの小物を、7㎜でタップしなおそうとしましたが、
さすがに7㎜という、自転車ではまず使わないタップはなし。
とにかく、使えることをかくにんしたかったので、現行の丸棒をつかって取り付けてみる。
っと、ぬぁんと、12㎜も後退できたではないか!
ぬ、ふっふっふ。
諦めないということは、偉大だ。
とりあずOさん、これで使ってもらって、OKであれば、ねじ改めてつくりなおすといことで乗ってもらうことに。