職人マツナガ通信

10月24日

MTBのレストア&改造作業です。
つくばに転勤されてきたMさんからのご依頼です。
十年くらい前にご自身でご購入されて、少し乗ったきり、そのままで保管をされていたということ。
SBTMのスタンスとしては、当店以外でご購入のバイクのメンテナンスもお受けさせていただいています。
ただし、そのバイクが、ご自身が自転車店でご購入されたものに限っています。
なぜかというと、使われてきている履歴がわからないと、どんな状態にあるかがわからないからです。
ご自身で使われてきているのなら、どのくらい乗って、どういうような状況、落車したとか、
はっきりわかるので、状態が想像できます。
これに対して、中古車でご購入されたものやオークションでご購入されたものは、全く履歴がわかりません。
何かをいじったら、壊れてしまった、なんてことにもなりかねません。
こういうリスクがあるので、ご自身が自転車店でご購入されたバイク以外は、メンテナンスをお受けできません。
さてMさんのバイク、オイルディスクブレーキは、全くきかず、かなりひどい状態。
レストアと同時に、ハンドルをブルホーンバーに変えたいというご希望。
ブルホーンバーに交換するには、ハンドルバーにあるブレーキレバーや変速レバーを探さなくてはなりません。
さらにディスクキャリパーも探します。
あ~じゃない、こ~じゃないと色々調べて、何とか使えるパーツを探しました。
で、作業です。
こういうイレギュラーな作業は、実際にやってみないとわからないことがあります。
結構ばくち的作業です。
このバイク、アメリカ クラインのバイクです。
変速ケーブルが内蔵になっています。
以前このクラインのバイクのメンテナンスをした時に、
この内臓システムにひどい目にあっています。
ケーブルの入り口は両方とも、インナーケーブルが入るくらいの細い穴があいているのみ。
チューブの中にライナーも通っていません。
なので、一度完全にワイヤーを抜いてしまうと、二度と通すことが不可能に近くなっていまいます。
なので、今回は慎重に、ついているインナーワイヤーを残し、そのインナーワイヤーにライナーをとおして、
インナーケーブルの通る道を確保します。
そうして作業をしていると、インナーケーブルを残してアウターケーブルを抜こうと引っ張ると、
インナーワイヤーも一緒に抜けてしまった・・・・・・・・。
ん、一瞬何が起きた変わらず。
よく見てみると、なんと、インナーワイヤーがきれているではないか!
オーマイガット、マンマ・ミーア!
最初からメンテナンスをしているバイクでないと、こういうことが起こるんですね。
これで最初の計画はおじゃんに、完全に空洞になってしまいました。
さあ、どうするか、困った。
考えつく方法をいろいろやってみるが、むなしい結果に。
最後は、これで通ったら奇跡という方法でやってみたら、なんとか通すことができました。
こうして無事に作業終了。
Mさんもオレンジ色にこだわって、おられました。
イマワノさんの影響か。