職人マツナガ通信

1月14日

LOOK695を駆るOさんからオーバーホールのご依頼です。
ヘッド小物のベアリングのグリスアップ作業です。
LOOK695のヘッド部の構造は独特な構造です。
ステムも専用のものを使っています。
BBも独自の構造でオリジナルのクランクセットを使っています。
今まで長年自転車パーツをみてきていますが、
このLOOKの構造もいかにもフラン人好みの構造という感じがします。
なんとも言葉には表現しにくいんですが。
よく考えられてはいるんですが、考えすぎで、
策に溺れるというか、ややっこしい構造になってしまっている、とでもいうのでしょうか。
まぁ、愚痴を言ってもはじまらないので作業開始です。
ステムのカバーを外します。
すると、ステムの取り付け部が汗の結晶でびっしりです。
汗はアルミを腐食接着接着させてしまうのでやっかいです。
幸いにも中まで汗はしみ込んでいなかったので無事にステムが取り外せました。
ステムを外すと、カーボンのステアリングコラムにアルミにねじ切る部分が、なかご棒でつながっている。
フォークを抜くには、このなかごの棒をぬかなくてはならない。
このなかごの棒をぬくために、フレームに穴が開いています。
フレームに穴をあけてまで、このアルミねじ切部分をなかごの棒で止める必要があるのか・・・・・・。
ちなみに同じフランス製のタイムは、接着していますよね。
まあとにかく、苦労をしてこのなかごの棒を抜きます。
すると、フォークがフレームから抜けるのですが。
ステアリングコラムとアルミのねじ切部分が、やはり汗の結晶がたまってしまっていてすんなりとれない。
ん~、これまた腐食接着していると大変やっかい。
ラスペネオイルをよく隙間に浸透させて、プラスチックハンマーでたたくと何とか抜けた。
ふ~、これでようやくベアリングにたどり着きました。
以前タイムのフレームでやはりヘッド小物のグリスアップ作業をした時に。
構造は違うのですが、ヘッド小物が完全に汗による腐食接着をしていましい。
何とか外そうといろいいろやりましたが、工具も壊れてしまうくらいくっついていて、作業を断念しました。
汗っかきのライダーは、一年に一回くらいは、ヘッド小物のグリスアップをおすすめします。