職人マツナガ通信

5月2日

フレーム矯正!
自動車と衝突をしてしまったクロモリバイクの修理作業です。
バラバラにして、治具にのせてフレームの芯がくるっていないかを確認、
くるっていれば、矯正修理します。
クロモリは、力のかかり方によっては曲がってしまうことがありますが、
それをまた元に戻すこともできる靭性があります。
もし、芯がずれていた場合は、芯だし棒で強制的にもとにもどします。
これ、みていると、お~、そんなして大丈夫! っという作業ですが。
溶接構造のフレームは、新品製作時多かれ少なかれ、
溶接時の加熱で歪んでしまったフレームを矯正するために、
必ずやらなければならない作業です。
ボクがミヤタ工業(ミヤタ自転車)に勤めていたころ。
ミニサイクルの製作ラインがあって。
一番端から順番にエアープレス機があって、これでパイプをフレームのカタチにして、
ラインに乗せて、次々に各パートをロー付けしていって、最後のところに芯だし作業用の定盤があり、
ここで心出しして、ハイ出来上がりとなっていました。
まあ、作業はローテンションするのですが、芯だし作業につくと、
一日に何百本というフレームの芯出しをしなければならず、ちょっと地獄でした。
その芯だし作業場に、ちょっと変わった人がいて。
みんなは、芯だしやロー付けの場所をローテンションしたりしていたのですが。
この人は、芯だし一筋何十年という、心出し作業のみをひたすらこなしていた人でした。
自ら進んで選んでやっていたのですが、
なぜ、それほど芯だしにこだわるのかは、最後まで聞けませんでした。
みんなは、その人を、「芯だしセイ(名前がせい〇〇だったと思います)さん」、っと呼んでいました。