職人マツナガ通信

7月25日

腐食接着フォークはずし。
先日ここに書いた、ヘッド小物とフォークステアリングコラムが、
完全に腐食接着してしまっているもののはずし作業です。
まずは、一週間毎日、毎朝、毎晩、ラスペネオイルを腐食接着部分にかけまくります。
ラスペネづけですね。
このラスペネオイル、隙間への浸透性は抜群にいいオイルです。
ボクはいつも、ネジがまわらないときの作業は、まず必ずラスペネオイルをふりかけます。
一週間ラスペネ漬けしたフォークコラムをプラスチックハンマーでたたきます。
ん~、びくともしない。
これは強敵。
しかたがない、お次の手です。
フレーム製作用につかっている酸洗い用の希硫酸液に腐食している部分をつけます。
希硫酸は、ロウ付けなどの工程で生成した酸化皮膜や錆びを除去してくれます。
希硫酸はカーボンには影響を及ぼしません、なのでどぶ漬けです。
五十分ほど漬け込んでおいたものをとりだして、水洗い。
再度プラスチックハンマーでたたきます。
すると、ほんの少し動いた! 
やった、一度動き出せば、あとはそれほど苦にならない。
新調にプラスチックハンマーでステアリングコラムをたたいていき、ついに外れた。
やった。
これでとれなかったら、どうしよう、っと考えていました。
フォークがぬけてやれやれと思っていたら。
ヘッド小物のベアリングがフレーム自体にやはりべったり腐食接着されています。
普通は手で簡単に取れるものなのですが、ドライバーでこじってもびくともしません。
ふ~。
再度希硫酸につけこむこと1時間弱。
取り出して、水洗いをして、ラスペネをふいて。
ドライバーとハンマーで叩き出す。
っと、また少し動いた!
慎重にドライバーをいれてハンマーでたたいて、ようやくとりだせました。
今回もかなり強敵でした。