職人マツナガ通信

7月29日

神奈川のSさんのプロジェクトM、治具にのります。
下ごしらえができたので、いよいよ治具にのります。
これからが、自転車を作っている、っということを実感できる作業ですね。
まずは治具のセットです。
この治具は、すでに何回か書いていますが、フレーム作りの神様とうたわれた、
梶原利夫氏設計のメイドインジャパン製品です。
ボクが修業をしたアマンダスポーツでも同型の治具をつかっていたので、
このタイプを使って四十年、骨の髄までわかっている相棒です。
ボクはこの治具を中古で譲り受けたので、
おそらくつくられてからすでに五十年くらいはたっていると思われます。
未だ現役です。
その昔この治具を日本で見たアメリカのビルダーがその作りに感心して、買って帰ったという逸話も聞きます。
そんな由緒ある治具で製作をします。
治具のセットは、シートアングル、ヘッドアングル、
ハンガー下がり、フロントセンター、オフセットというように図面に従ってあわせていきます。
セットが終わったら、BBをセット、シートチューブをセット、ヘッドチューブをセットします。
そうして、トップチューブの交点間寸法を、治具上実寸法と図面上の寸法とをくらべて、
同じ数字なら無事にセット終了ということになります。
ここで数字が数字が違う場合は、また最初から、治具のセットをやり直します。
今回はOKです、セット終了。