職人マツナガ通信

5月5日

ぬ、抜けない!
2007年にお買い上げいただいた、Nさんのピナレロアングリル、
オーバーホールでお持ち込みです。
ほぼフルメンテナンスの内容です。
ご購入から一度もBBを変えていないとのことなので、BB交換作業です。
BBの形式は、スクエアテーパー(四角軸)のワンキーレリーズタイプです。
ワンキーレリーズとは、アーレンキー一本でクランの抜き差しができるシマノさんが考えた構造です。
この構造確かに優れた構造なのですが、
かかるトルクに対して、ボルトの強度が若干弱い気がします。
また、クランク内のボルトを引き留めるためのクランクにつけるフタ状のネジもかなり強度がないとダメです。
今となっては、すんなり作業がいけばいいのですが、
ちょっとまずいことになるととんでもなく難しい作業となります。
そうして今回・・・・・・。
クランクを抜くために、8mmのアーレンキーをボルトに突っ込みネジをまわしていきます。
ギャ側は問題なくぬけてきれました。
非ギャ側は、かたくて全く動かない。
クランクについているフタ状のネジが壊れないかを注意しながら、
8㎜のアーレンキーに、モーメントバーをたしてさらに力をこめてまわしてみる。
っと、少しネジが回った。
そのまま、さらに力を込めてまわしていく。
軸とクランクのはまり具合を見て。ぬけているかを確認する。
若干動いているような感じ。
なので、さらに力をこめると、スコンっと一気にネジのトルクがなくなった。
やっと、抜けたか、っと思ってみると。
ほとんど動いていない・・・・・・。
???・・・・・・、どいうこと。
少し冷静になり、アタマを働かせる。
ネジはクルクル回るのに、クランが抜けてこない・・・・・。
っということは、ボルトがねじ切れた・・・・・。
まさか、8mmの太さもある鉄のフィキシングボルトがねじ切れるとは・・・・・・・。
自転車屋生活四十二年、こんな事は初めてである・・・・・・。
はて、さて、どうするか。
トホホ。