職人マツナガ通信

イタリア就職記 (39)

こうしてボクが作ったフレームに、P氏が最終のカラーリングデザインをしました。
P氏のこういう感性はほんとにすごいと思いました。
つくったものは日本にいた時とかわらないのですが、仕上がってみると、やはり似て非なるモノという雰囲気をかもし出します。

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イタリアはデザインの国とよくいわれますが、
イタリアで生活していて、その根元の一部かなと
おもうところを自分なりに感じました。
街をあるいていると、目に入ってくる建物の線が、
丸であったり、斜めであったり、三角であったりと、
色々な線が飛び込んできます。
日本では、殆ど四角いたてものばりですよね。
(昔は違ったようですが)
この、色々な線を小さい頃からみて育ってくるれば、
どういう線の組み合わせがきれいか、
ということが自然と身についてくるじゃないでしょうかね。

ボクなどは、小さい頃から、縦か横の線しか見て育っていないですから、曲線をつかったものイメージとか思い浮かべにくいです。

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以前に書いたことがあるのですが、イタリアの23・4歳くらいの若い男の子とはなしていて、東京はどんな街かという話題になったとき、
彼は、”東京って美しい”ってボクにきいてきました。
聞かれてボクは、ハッとしました。
いままで、東京は電気製品が安いか、
とか便利かとかきかれたことはありますが、美しいか、
ときかれたことは一度もなかったですから。
そして、自分自身で街を美しいか美しくないかを考えたこともなかったです。
彼はミラノを美しい街だと自慢していました。

街が、美しいか、美しくないかという判断をする、イタリアの人がいかにデザインにこだわるかを垣間見た気がしました。