職人マツナガ通信

アメリカ放浪記 (9)

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写真は苦労してみつけた、フレームビルダーの工房です。
看板もなんもなく、納屋を改装したような建物でした。
これじゃ~、前を通ってもわからなかったでしょう。
周りはトウモロコシ畑、隣家なし。
 
このフレームビルダー、当時はアメリカNo1と
言われていたヒトです。
この当時は、クロモリのロー付けフレームが主流ですから、
このNo1というのも、ロー付けのきれいさや、
ラグワークのきれいさが評価されていた時代です。
彼のつくったものは、オリンピック選手や、
世界チャンピオンが使っていました。
昨日の続きで、アポなし突撃体当たりで、訪ねていって、

とりあえず家に入れてもらい、単刀直入に申し入れをしてみました。
とりあえず、3ヶ月間、ノーギャラでいいので、使ってもらえないかと、それで気に入れば雇ってくれればいいし、だめなら、あきらめる、ということを。

結局は、ビザの問題だとかを理由に、断られてしまいました。
でも、まあ、今考えれば、全く知らない外国人がいきなりきて、働かせてくれてといっても、普通は断りますよね、今の自分でも断るでしょう、キット。

そんなわけで、とりあえず、働くのは諦めるので、少しの間シゴトを見せて欲しい、
ということをお願いして、それはOKをもらい、毎日、アレンタウンのホテルから、自転車で工房へ通うことになりました。