職人マツナガ通信

11月26日

フジやん通信の中にレーザーを製作するにあたってTIG溶接をやっていることがかい
てありました。
TIG溶接がでるまでは、自転車フレームは通常酸素アセチレンガスロー付けというの
が主流でした。
何が一番の違いかというと、
母材(つけようとしているもの)を溶かしてつけるのがTIG溶接、
母材を溶かさずにロー材を介在させてつけるのがロー付けです。
どちらも大元は溶接というカテゴリーに入ります。
TIG溶接のいいところは加熱する範囲が非常に狭いので熱劣化をさせる部分が少なく
て済むということです。
当時はやりだしてきたものすごく大きな応力がかかるMTBなどにつかわれはじめた
のがはじめと思います。
ボクもTIG溶接が自転車産業界で使われ始めた頃、修行していたアマンダでやりまし
た。
師匠の千葉氏が出来上がったものがいいのであればつかわなければいけないと導入し
ました。
今でも当時TIGでつくったMTBを愛用しています。
しかし、ボク自身はその後TIGの優位性をそれほどかんじられなくなり今はTIGはやら
なくなってしまいました。
ボクがイタリアにいたときにみたレーザーの製作現場では、
まずチューブがTIGでつけれられ、うすい鉄板のフィンはロー付け、最後の仕上げは
手工パテでやっていたと記憶します。
また、アメリカでトムリッチー氏に会ったときは、
チューブのつきあわせてにロー付けをボウボウにもってそれをものすごく綺麗に
(レーザーのフィンのようなイメージ)に仕上げてました。