職人マツナガ通信

2月29日

500km位乗った木リムホィールの振れとりを依頼されました。
ご本人曰く後輪はスゴイ振れているよということでお持ち頂きました。
作業をしてみると後輪の振れは幅最大振れ0.5mm、前輪は0.25mmでした。
SBTMの許容範囲が最大0.2mmなので後輪はたしかに振れている部類にはいりま
すが前輪はまず問題ない範囲ですね。
ただし、後輪の振れも木リムとしては優秀な方かもしれません。
おそらく木リムしかない時代にはこれくらいで使用するのが普通だったじゃないで
しょうか。
工業製品の得意とする画一性ということになれてしまい、鉄やアルミのリムをあたり
まえとしている自分らの世代ではたしかに振れていると感じてしまいますが。
なんせ生きていた木ですから、繊維方向も個性があります。
この木リム、まさにイタリアの職人さんが本当に1本1本手づくりしているものなの

すが、職人さんが全く同じにつくってもリムの部分部分で頑張れる力のばらつきは否
めないようです。
でも、こういう個体差というか個性を楽しむのもオトナの遊びかと思います。
じゃじゃ馬ですが、慣らすととんでもなくいいお馬さんになる。
カーボンホィールはカーボンホィールなりの、アルミホィールはアルミなりの、木リ
ムホィールは木リムなりの楽しみ方があるとおもいます。
もちろんオーナーもその辺りは理解していただいているオトナの遊び人です。
前後輪最大0.2mmにもどしました。
はてさて、これでおちついてくれるかな、じゃじゃ馬さん。

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