職人マツナガ通信

2月13日

接着です。
いよいよ大詰めの接着作業です。
まずはカーボンチューブを図面の長さにカットして、突き合わせ部分のアール取りをします。
一通り長さをだせたら、一度ラグパートと組み合わせて治具にのせます。
そこでカーボンチューブの寸法の微調整をします。

作業をみていたお客様のご質問。
★つなぎ手(ラグ)はなんで鉄なんですか?
まずは、加工性の柔軟さです。
ここを鉄で作業を行うことによりオーダーメードでほとんどどんな寸法のものも製作可能となります。
つなぎ手をカーボンにすると、いちいちのものに成形するための型をつくらなければならいのですごくコストがかかります。
メーカーの量産ものは一型で何百台とつくるのでコスト的にみあうのですね。
自分のように一台一台オーナーにあわせてつくるものでは、ここに鉄を使うことですごくコストパフォーマンス性をあげることができるのです。
アルミを使わないのは、まずは弾性率という素材がもってうまれた数値の違いです。鉄の方が断然高いのです。
その他、カーボンチューブとの電位差腐食が起きやすいとか加熱時の膨張率の違いだとかがあります。

さて、すべてのチューブをセット確認できたら、
接着剤を塗布して最終の治具のせ作業ととなります。
すべてセットおわりましたら、各部の寸法を確認して接着部分を加熱して接着剤を硬化させます。

またまた質問です。
★ねとねとの物体は何なんですか?
カーボンと鉄のラグパートをつなぐ接着剤です。
ホームセンターでは買えない、工業用の構造物接着剤です。
ホームセンターなどで売っている接着剤は、5分硬化型とか10分硬化型とか、また普通のボンドであれば時間がたてばかたまってしまいますが、
フレーム用につかっているものは、温度が上がらないと固まらないものです。
接着剤塗っている間にかたまっちゃうてなことはないわけで、落ち着いて作業ができます。
今の季節ですと40分くらい加熱すると、実用強度がでます。

さて、こんな感じで全貌が現れました、Iさん。
例のゼッケンプレートもこんな感じでついています。
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