職人マツナガ通信

2月14日

Iさん、ご来店。
製作中のフレームのオーナーIさんがご来店されました。
一点ご要望に対してご相談です。
今回のリクエストの中に、ダウンチューブ下にボトルケージ台座を取り付けてほしいということがありました。
加工そのものはたいしたことがないのですが、
カタチになったフレームでフロントギャ板、フロントホィールに干渉しないような位置をだそうとすると、
穴の空く位置が応力のかかる範囲にかかってしまうことが判明。
いわゆる通常のサイクリングでしたら可能ともおもわれますが、
いちどきに
1000kmを走りきるブルベですから、
何が起きるかわからない、どう考えても安全性の方を重視した方がよい。
思案したあげくとりやめるように提案をしていました。
ご本人に穴をあける位置を実際みていただき、納得頂き、取りやめることにしました。

どうしてもほしいときには、穴をあけずに止める方法を考えるということに変更。
その他の部分に関しては、イメージ通り、バッチリという言葉を頂き、ホッ。

フレーム製作ってどのくらい勉強したらできるようになるのですか?
と時々質問をうけます。
鉄のフレームということにかぎっていうと、
材料をカットして、溶接して、仕上げてという実作業に関しては、上手、下手はあるとおもいますがそれほど時間はかからないとおもいます。
基礎知識は工業高校で学ぶ知識で十分と思います。
その他に、オーナーにあった設計する、材料を選ぶ、用途にあった細工をする、など実作業以外の事はほとんど経験によるしかない部分なので時間はかかると思います。
勉強はじめて10年、継続できたら生業にできるのではないでしょうかね。
継続できたらというのは、器用すぎて他の道が良さそうにみえて途中であきてしまったり、また自分のやる気や努力とは別の部分の理由で断念せざるえなくなったり、ということも含みます。
実際に自分の周りでも、自分よりずっと腕の良さそうな人が何らかの理由でやめていっています。
ボクがいま継続できているのは、これしかできないという不器用さと運だとおもいます。