職人マツナガ通信

1月31日

キリキリ音。
SRM(サンデーライドミィーテング)から帰ってこられたお客さんが、
リアホィールからキリキリ音がすると持ち込まれました。
このキリキリ音、独特な音で他にたとえようがない様な音です。
この手の音は、通常はリアディレラーのプーリーの油切れで起こる事が多いのですが、
注油をしても一向に収まらない。
チェーンにはしっかりオイルはのっているし。
修理をお受けするときの常道なのですが、
いつ頃から、その症状が出る前になにか普段と違う事が起こらなかったかをききます。
お話をきいてみると、
チェーンクリーナーでチェーンをピカピカにされてから音がでるようになったという事。

洗った後には注油はちゃんとしているとの事。
そのお話を聞いてピンときて、
少し多めにチェーンにオイルをあげたら収まりました。
きれい好きの方には起きがちな現象ですね。
あまりにチェーンクリーナー液でピカピカに洗って(脱脂)しまうと、
完全にチェーンからオイルがぬぐい取られてしまい、
普通の注油量ではチェーンのリンク内部までオイルがいき渡らず、
表面はオイルがついているのですが音がしてしまうとい現象です。
実はぼくも少年サイクリストだった頃同じ経験があります。
外したチェーンを当時はガソリンで、歯ブラシを使いごしごし洗ってました。
まさに新品同様ピカピカになり、当然オイルをあげて意気揚々と乗り出すのですが、
リアホィールからキリキリとなんとも悲しい音が。
なんだよ、あんなに苦労してピカピカにしたのに!
という気分です。
当時のオイルは今のような浸透性のいい高性能なものはなく、
何度あげても、油がなじむまではしばらくキリキリ音は続きました。
チェーンの洗いすぎ(脱脂しすぎ)にご注意ください。