職人マツナガ通信

5月28日

土・日は製作シゴトはできないので、
本日は区切りをめざしておシゴト遂行。
削りだして準備のできたラグパートをを治具の上にのせてロー付けをする。
ロー付けというのは、溶接のなかの一種です。
今流行のアルミフレームは溶接でできているのです。
何が違うかと言いますと、
溶接というのは、母材(チューブ)を溶かしてつなぎあわせるものをいいます。
ですからアルミのものはチューブを溶かしてつなぎ合わせています。
一方、ロー付けというのは、母材をとかさずロー材(つなぎ合わせるためのもの)を
つかって、
母材どうしをくっつける方法をいいます。
ですから、ボクのラグパートはクロモリを溶かしません。
どちらも一長一短がありまして、
どう違うかは長くなるのでまたの機会に。

ボクが使っている加熱するためのトーチとろー材です。
どちらも、アメリカ製です。
普通トーチというと、フランス式かドイツ式となるのですが、
ボクがシゴトを教わったアマンダスポーツの千葉師匠が使用していて、
使い勝手が良かったのでこれを使っています。
仏式、独式も使ったことがありますが、
大きい炎をだすときは独式、小さい炎は仏式がいいようです。
ボクがつくるクロモリ&カーボンフレームのラグには、
とても小さい炎を使うのでこの米式がとても使い勝手がいいです。
ロー材も、1m㎡あたいとても強度の高い、そして低温で作業が出来るものにこだ
わっています。
このロー材、国産の物に比べると強度は数倍、お値段数十倍のものです。

金色に光っているところがロー付けしたところです。
接合部にきれにもっていくのですが、
このあたりが作業者の腕のみせどころでしょうか。
この作業にはちょっと自信がありまして、
イタリアでシゴトした時、
フレームビルダーだった(当時はすでに引退していた)雇用主が、
ボクのロー付けをみて、今まで見た中で一番きれいだ、
といってくれました。
でも、イタリアの伝統的なロー付けフレームは、
大きな炎をボウボウつかって真っ赤にしてローをまわすものしかないので、
小さな炎で細かく作業する事自体が少ないせいもあったのでしょうが。

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