アンカーRS8を駆るKさんから修理のご依頼。
フロントからチェーンがフレーム側に落ちてしまいカーボンフレームを傷つけてしまったそうです。
見てみると表面塗装~下塗り塗装までえぐれてしまっているところと、カーボンフレームの表層が傷んでいるところがありました。
松永さんに依頼しフレームの修理をしていただき、さらに落ちた時にチェーンが引っ張られてしまったせいかリプレイスメントエンドも曲がっていたので、これは僕が修理させていただき、これで事なきを得た…と思い変速を確認してみると…
どうもおかしい。変速がズレている訳ではないのにカタ…カタ…という周期的な音が鳴る。
いくつかの組み合わせて変速を確認していき、今度はインナーローに変速してみるとシュッ…シュッ…という音もなり始める。
音が鳴る部分のチェーンをよ~く見てみるとチェーンプレートが曲がっているようでフロントディレイラーの内側に擦っていました。
チェーンを上から見た写真です。
これだけではたぶん曲がっていることはわからないと思いますが(僕もパッと見気が付きませんでした。)、こうするとよく分かります。
黄色の線を入れてみました。
その曲がっているところを触ってみるとチェーンローラーが歪みによって固まってしまっており、リアディレイラーのプーリーを通るときにカタカタ鳴っていることも分かりました。
チェーンのテンションを緩めた状態でその部分をつまんでみると写真のように動きません。
黄色の丸を付けた箇所が回らないローラー部分です。
ここのプレートを抜きクイックリンクを入れることも考えましたが、そもそも曲がってしまっているのにそこだけ変えても意味ないと判断しチェーン交換のご連絡をし交換させていただきました。
チェーンが落ちてしまった状況としては変速中、変速が完全に完了する前に信号で停止し、青信号で踏み込んだ瞬間に落ちてしまったそうです。
停止するときギア比を落として止まる人が多いと思いますが、完全に変速しきってから止まりましょう!
赤信号を見たらその瞬間にシフトダウンし、止まるときにはもう軽い状態なら踏み込んでも安心です。