クマさんのバイク専科

シマノのSPD-SLペダルは進化していました!

現在のビンディングペダルのスタンダードになっているのがシマノのSPD-SLです。シマノのカーボンチップ補強入りボディに、スチール製の中空加工ペダルシャフトのデュラエースSPD-SLのロードペダルがマイナーチェンジされました。変更された個所はカーボン補強ボディの溝が裏側から表になり、クリートやソールと接触する踏み面の消耗防止のステンレス製の金属プレートが、ネジ止めでなく、埋め込まれて接着されたことです。

 

ルックパテントのビンディングペダルの延長線で開発されたアルミボディのSPD-SLから、現行の樹脂ボディのモデルのデザインに近い、初期のアルミボディのデュラエースのSPD-SL。ニードルとボールの特殊なベアリング形式とスチール製のテーパー状のペダルシャフトを採用していて、アルテグラ以下のSPD-SLペダルより、デュラエースは1mmくらいペダル軸の中心から踏み面までの距離は近いロープロファイル設計になって、踏み込む足を安定させる設計になっています。

 

もちろんアルミボディのSPD-SLは、足の裏との接触面積を縦方向も横方向も広く設計したワイドボディを採用。ルック、タイムのクリートよりワイドな設計のシマノ専用のプラスチック製クリートと組み合わせて、親指から小指までをワイドにサポートする、安定した踏み味を実現しています。SPD—SLペダルは、アルミボディにスチール製のシャフトの組み合わせでした。金属製のボディから樹脂ボディに移行していった、ルックやタイムのペダルとの重量差は大きくなり、シマノのビンディングペダルの1つの課題となりました。

 

さらにルックやタイムもトップエンドのモデルは、カーボン教科の樹脂ボディに加え、シールドベアリングにチタン合金製のシャフトを採用した200gを切る超軽量モデルが設定されて、シマノのデュラエースとの重量差は明らかでした。シマノは現在のカーボンチップ混入強化樹脂ボディのモデルでも、チタン合金製のペダルシャフトを採用していません。それにはシマノなりの強度や剛性の社内規定や、販売価格設定などを考えての不採用なのでしょう。

 

旧型デュラエースのSPD-SLはアルミボディに、ムクのテーパードのスチール製のペダルシャフトのモデルは左右で260gありました。ルックやタイムの最高峰のビンディングペダルと比較すると、価格差はともかく、やや重い感じでした。SPD—SLのアルミボディの後期モデルには、中空加工されて軽量化のためにテーパー部分も削られた、スチール製のペダルシャフトが採用されて、30g軽量化されて230gとなります。

 

転倒時のペダルボディの破損などを考慮していたのか、シマノはやっと樹脂製ペダルボディに踏み切りました。最上級モデルのデュラエースは、カーボンチップ混入のプラスチック製のボディに変更されてからも、中空加工されたスチール製のシャフトが組み合わされて220gになりました。最新モデルのデュラエースは、同じスチールシャフトにカーボンチップ混入ボディで、キャッチしてからも足を動かせるフローティングモードで、バイクシューズのソールやクリートとこすれる面に、消耗防止の金属プレートが埋め込まれ、重量は210gになりました。

 

スチール製をチタン合金製の同じ形状のペダルシャフトに置き換えるとすれば45%軽くなります。実際には、カーボン樹脂ボディのデュラエースSPD-SLのスチール製の中空加工されたペダルシャフトは、すでにテーパー状の部分も削られて軽量化されていますから、もし、サードパーティ製のチタン合金製ペダルシャフトへ置き換えると、左右で190gになります。

 

シマノが何ゆえか踏み切らないチタン合金製シャフト化、採用しない理由は色々考えられます。強度の高い合金チタンの入手が難しい?。チタン合金の素材や加工の難しさによる価格上昇。チタン合金製シャフトのしなりや金属疲労強度などのリスクが考えられます。でも、チタンシャフトにすれば190gと魅力的です。最新モデルのカーボン補強ボディのデュラエースと、アルミボディのデュラエースのキャッチメカニズムのバネレートを、一番弱く設定して使ってみました。

 

アルミボディの方がスムーズに足の着脱が可能です。キャッチメカニズムのバネレートの設定の違いなのか、理由は分かりませんが現実に軽く着脱できるのはアルミボディのモデルです。女性ライダーや脚の力が弱いライダーにとって、最低に設定したときのバネの強さは切実です。キャッチ&リリースのしやすさは市街地横行には切実です。最高峰のビンディングペダルなんだから、そういうフィーリングも大切にして欲しいですね。ではでは。