初めてのパーツカスタム・アップグレードは、タイヤ、ホイール、ビンディングペダル&シューズなどが人気ですが、ブレーキアーチなどはいかがですか?
最近はメインコンポーネントと統一されたブレーキ(いわゆるフル105、フルアルテグラなど)がついているメーカー完成車が増えつつありますが、まだブレーキだけノーネームグレードであったりサードパーティ製のブレーキアーチがついていることもあります。
シマノ製のブレーキならともかくとして完成車についているサードパーティ製のブレーキアーチの場合正直ブレーキが思い通りに止まる、少ない力でレバーを引けることは残念ながら多くはありません。組み立ての際に出来る限りのことはしますが、それでも使われているパーツの構造や品質上限界があります。
スコットのアルミフレーム、スピードスターを駆るOさんは久しぶりに乗り出すということでバイクの点検にご来店されましたが、お話を聞いているとどうもブレーキが効きにくいということでした。見てみるとサードパーティ製のブレーキがついており、ヒルクライムにも行かれるOさんからダウンヒル時にもっと安心して制動するためにブレーキアーチのアップグレードをご依頼いただきました。シマノ5800系105のブレーキアーチへとアップグレードです。
デュアルピポッド構造でブレーキアーチセンターにローラーをもつこのブレーキはシマノの中では上から3つ目のグレードですがスピードコントロールと制動に秀でており人気があります。
早速交換するためにブレーキインナーワイヤーを外してみたところワイヤーにもほつれと断裂がありました。痛んでいなければブレーキアーチだけの交換で済みますが、今回はインナーワイヤーも交換です。このワイヤーも完成車の場合サードパーティ製が使われていることがあります。ワイヤーの柔軟性が低い為ハンドル周りの"アール"やアウターワイヤーとの内部摩擦によりレバーの引きが重くなってしまいます。サードパーティ製のブレーキアーチにサードパーティ製のワイヤーだと最悪な組み合わせで握力の低い方だとダウンヒルは到底出来ません。Oさんの場合はワイヤーの痛みによる影響の方が大きくこの先ワイヤーの更なる断裂も想定されるための予防策ですが、結果的に大きな改善に繋がりました。
Oさんのスコットではブレーキアーチとインナーワイヤーを交換させていただきかなりブレーキングの向上を体感できるようになりました。これでヒルクライム後の長い下り坂でも安心です。
タイヤやホイール、ビンディングなどに目は行きがちですが、安全なライドのためのアップグレードもオススメです。僕も最初にアップグレードさせたパーツはブレーキアーチでしたよ!