クマさんのバイク専科

接着剤の勉強をしたくなりました!

ホームセンターで接着剤のコーナーを見たことありますか。コニシ、3M、セメダインなど、とにかくブランドがいっぱいあって、用途や接着強度のちがう接着剤もたくさんあります。木材、金属、プラスチック、塩ビ、発泡スチロール、セラミック、皮などいろいろな素材用の接着剤があります。接着強度を発揮し始める時間も1秒、5分、1時間、1日などいろいろな設定があります。瞬間接着剤と呼ばれるものもたくさんあります。面積当たりの接着強度もかなりの差があります。接着強度を発揮し始めて硬化し始めてからの耐ショック性、要するに振動が加わりやすい部分の接着強度がかなり違います。

 

今回のタイムのスカイロンのリプレースエンドの加工と交換作業では、金属と金属、金属とプラスチックなど多用途の2液混合のエポキシ樹脂系の接着剤で接着しました。テストピースで接着してみた感じでは接着強度や硬化してからの樹脂の強度ががもう少し欲しい感じです。常温で硬化するタイプのエポキシ系樹脂の接着剤では、金属と金属を接着するのに、いろいろな接着剤がホームセンターにはありますが、望むような高強度の接着を実現するのは難しい感じです。熱硬化型のプロ仕様のエポキシ系接着剤が、理想的な単位面積当たりの接着強度を発揮しますが、スイスのチバガイギー製で、高価で一般には手に入りにくいのが現実です。

 

常温硬化型の一般的なエポキシ系接着剤は、同じ量の2液の接着剤をコテで混ぜて、接着面に塗ると、常温でだんだん硬化してきて接着力を発揮するタイプが多いですね。想定された接着力を発揮し始めるのに5分のモデルをリプレースエンドの固定の補強に採用しました。1時間硬化型、24時間硬化型などもありました。2液タイプのエポキシ樹脂系の接着剤は、接着する部分の塗装を剥がしたアルミ合金製のリヤエンドやカーボンエンドへ、混合したペースト状態で塗って、リプレースエンドの接着面の塗装を剥がして、金属面を出して張り付けると、接着剤は5分を過ぎると半透明になって硬化しました。

 

リプレースエンドのネジ穴に金ヤスリでテーパーを付けて、皿ネジを埋め込めて出っ張りがなくなり、ボルトの皿部分との接触面積を増やして固定力を増しました。ネジ穴にロックタイトの緩み止めを塗って、3mmアーレンキーボルトをねじ込んで、リプレースエンドをしっかり固定します。接着面を圧着するように、バイスプライヤーでエンドを挟んで10分も常温で放置すると、金属パーツは想定された接着剤の接着強度に達しているはずです。熱硬化型のエポキシ系の接着剤を盛り上げて硬化させて、金ヤスリなどで整形すれば、パーフェクトな造形ができそうです。

 

スポーツバイクつくばマツナガのショップ内には、ロックンローラーのフレームも製作した治具が置かれたオーダーカーボンフレームの製作工房があります。そこでは手作りのクロモリラグと、カーボンチューブが接着されています。フレームの設計寸法になるようにカットされたカーボンチューブの先端の接着部分がケミカルで脱脂され、クロモリラグの内側の接着面も接着強度を高めるために、ザラザラに仕上げられて、ケミカルで洗浄されて、特殊な1液の熱硬化型の接着剤が塗られて、カーボンチューブが差し込まれます。

 

ここまでの接着面の仕上げ方は、一般的な接着剤の接着面の仕上げ方の参考になります。組み上げられたフレームは治具にセットされた、角度や寸法の設計図通りに100分の1mmから10分の1mm単位精度の治具上で微調整が行われてフレームの芯が出されます。クロモリラグにカーボンチューブが差し込まれた部分には、加熱処理専用に作られたヒーターが設置され、同時に加熱が始まり、接着剤のマニュアルに沿った温度と時間が管理された状態で、接着剤が硬化して接着の工程が進みます。

 

フレームの接着に使われている接着剤の接合強度は強烈で、黒道ラグとカーボンチューブは引き抜くことが不可能で、カーボンチューブの交換の場合は、リューターで削り取るしかないそうです。今回のリプレースエンドの接着もやってもらおうと思いましたが、いいアイデアだと思ったのですが、考えてみたら、エンドが曲がった時に交換ができなくなります。フレームのエンド側がカーボン、リプレースエンドがアルミ合金の異素材の接着ですが、カーボン側のエンドが剥がれて壊れてしまう可能性があるほどです。これはフレームビルダーマツナガ氏と相談してみて諦めました。

 

接着剤本来の性能を引き出すには、接着強度を確保するには、接着する面の仕上げ、接着面の環境づくりをどう加工すればいいのか、ヤスリがけして荒らしたほうがいいのか、ツルルルに仕上げたほうがいいのか。接着面と接着面の距離も重要なはずです。接着する素材の違いを越えて接着できる性能があるのか。アクリル系の瞬間接着剤の接着強度や耐衝撃性や熱特性、長期保存の方法、僕のカーボン接着フレームはすでに20年以上接びくともしていませんが、着の寿命も知りたいです。金属面を接着する時の接着性能を最大限に引き出す表面の仕上げ方、里道的な接着環境の作り方も勉強したいな〜。何でものとものが接着できるのかのメカニズムも知りたいな。ではでは。