クマさんのバイク専科

何が「チェリーブロッサムタイム」だ〜!

東京オリンピックの2021年への延期はもう決まった、パンデミックという事でどうにもならないことが理由だけど。どうもストンと腑に落ちない。IOCの理事のこの朝の「桜の花が咲く頃に開催?」発言や、会長と総理のテレビ会見の前の、「延期はIOCで決まっている」という元副会長のメディアへの不規則発言の酷さは何なのだろう。IOCの権威もステークホルダーの権利もないがしろだ。延期に必要な経費の事も先送り、開催場所の確保や人員の確保への配慮も、何もあったものじゃない無責任な発言だ。

 

やっぱり、オリンピックの利権に集まったIOCにコンプライアンスやガバナンスを求める方が非常識なのか。秘密も何もあったものじゃない。何で重要な情報がこうも簡単にざざ漏れなのだろう。これが会長の意向を受けたり、許可を受けているというメディアへのリークが行われているとしたら、恐れ入ったIOCの情報操作と言えるだろう。会長の記者会見内容はIOCの公式見解と言えるだろう。関係国や団体や発信力のある選手の反応を見て、予定通りの強行開催の表明から、たった5日で延期を匂わせる方向転換というIOCの新方針を打ち出している。

 

日本の首相にIOC会長は早く忖度しろよとでも言いたかったのだろうか。我らが首相は、国会では、はぐらかし答弁は得意だし、人事権を握っているので、お役人達には忖度させて命がけで文書の改ざんや隠蔽までさせることは得意分野のはずだけど、まさか自分が忖度する側に回るとは思ってもいなかったかもしれない。一緒にゴルフもして大統領の友人のはずなのに、実はポチだったという経験も長いことだし、忖度という芸もこなせるかもしれない。もっとも、首相がIOCの謎かけに気がつかなくても、周りの官僚や官房長官がこそっと文書を渡せば気が付くでしょう。

 

2020東京大会の中止はIOCにも経済的にいいことないし、事前にスポンサーとの話は延期でつけてあるので、後は日本の判断ということになっていたのだ。かといってIOCから延期を言い出せば、費用の拠出問題の時にしらばっくれることができなくなるから、首相に言い出しっぺになってもらおうということなのかな。「個人的な意見だが」というエクスキューズ付きのメディアへの元副会長や理事の不規則発言は、注目されていることだから瞬く間に世界へ配信される。確信犯的な情報発信としか思えない。日本側から延期を言い出させるための、追い込む作業の一環だったのかもしれない。

 

日本側の実行委員会のトンチンカンな元総理は別にして、これだけすったもんだに付き合っていれば、いつまでもIOCの体質を把握していないわけがない。どうせIOCは延期に関する費用を払わないと読んで、覚悟の上で、ここらが潮時と判断して、会長とのテレビ会見を申し入れたのだろう。延期にかかる6000億円を支出して、中止の4兆円の損害を回避して、開催の経済効果と引き換えたのだろう。大統領選と新型コロナ肺炎と戦っている大統領のポチとしては、すでに延期を示唆する大統領の記者会見があったので、御心に沿って、アドバイス通りに延期を表明できる立場というわけだ。

 

日本の実行委員会や開催都市の東京都や最終的にバックアップする国は、ほぼ3兆円と言われる投資をして、IOCに莫大な収入をもたらすオリンピックという場を作った、重要なステークホルダーにもかかわらず。サゼッションや決定事項を示されて、右往左往させられて、IOCに翻弄され続けているようなものだ。パンデミックは想定外の緊急事態であることに間違いないが、そこにアスリートファーストは存在していたのだろうか。IOCの建前なのだから、本音にはあるわけないよね。

 

ところでホストシティの都知事選はどうなっているかといえば。都知事の立場に対立している都議会自民党は、小池さんの支持率のリサーチを行なって、負ける戦はしないという読みから対立候補の擁立を諦めて、ほぼ小池さんが都知事を継続しそうな状況だ。来年度予算もパンデミック対策を推進するという理由を表明した都議会自民党の賛成をえて無事通過した。2021年の夏には2020東京オリンピックを迎えることになりそうだ。夏開催なら首相も任期ギリギリでオリンピックを迎える。

 

アベノミクスも吹っ飛んで、頼りの株価は5千円の乱高下、オリンピックは延期になって経済効果は先送りになった。パンデミックで経済は低迷して、消費税は10%になって消費も低迷してGDPは7%低下、日銀総裁の掲げた目標の1%のインフレもここ数年、全く達成できず。国の借金は増え続けてIMFから債務超過国脱出のために消費税20%を警告されている。ドイツの債務0と比べるとため息が出てしまう。それでも代われる人材がいないのか、数々の疑惑を指摘されても選挙に強い首相の4期目があるんじゃないのと噂されている。

 

IOCの提案によると、開催時期は春と夏の2つの選択肢があるというのだ。まさに、理事がメディアに語っていた「チェリーブロッサムタイム」だ。オリンピック貴族たちの気まぐれ、無責任さはここに極まれりだ。春までにパンデミックは終息していて安全なのか?。少しでも時間を延ばして終息を見極めた方がいいんじゃないのか。さらに、競技を開催する箱のスケジュールの確保が春までにできるわけがない。すでに予約が入っているし。ここでもオリンピックだからと、莫大な違約金をイベンターへ払ってスケジュールを譲れというのだろうか。IOCが払う気もないくせにだ。

 

もうIOCの我儘なんて聞きたくもない。近代オリンピックも利権に集まってきたオリンピック貴族のIOCという集金団体ももこの後にいたっては神聖視する必要もない。サゼッションや決定事項として押し付けて、3兆円近く出資して、IOCの稼ぐ場所を作った、開催国やホストシティや実行委員会をないがしろにしているとしか思えない。もうIOCが一方的な権限を持つ不平等な契約内容も見直すべき時期が来ている。

 

いつまでもこんな条件を飲み込む開催国が立候補するとでも思っているのだろうか。IOCがガバナンス、放映権料などの収入の分配方法や役員報酬の透明化、何か起こった時に資金を出す開催地と運命共同体であること、方針決定のプロセスなどの見える化、無責任体質の改革をしなければ、近代オリンピックの継続の意義も問われることになるだろう。こんなに問題が多いスポーツの祭典には関わらないほうがいい。お金と時間とエネルギーの無駄だから。そんなお金があるのなら福祉に回したほうが国民は現実に幸せになれる。日本はもうオリンピックムーブメントの開催都市の立候補を見送ったほうがいい。税金を投入して札幌オリンピックを見たい人いるのかな。

 

そして、おおむね1年という延期の決まった、オリンピックの開催日に関して、これから日本側との話し合いというのに、IOC理事から「7月23日開幕」というメディアへのリークがあった。IOCの決定事項の追認ということになりそうだ。しかし、おおむね1年という延期期間を決めた科学的な根拠はあったのか。果たしてパンデミックの収束しているのか。来年7月までに収束していなかったら中止なのか、再び延期なのか、それも含めて事前に話し合っておいたほうがいいんじゃないのかな。ではでは。