クマさんのバイク専科

シマノ純正の2mmと1mmのシムプレート

シマノの純正スモールパーツの中でも超地味な製品があります。
黒姫高原るんるん合宿の直前と直後に、このSM-SH20という製品番号のシムプレートのキットを7セット手に入れました。
バイクシューズのソールとクリートの間にセットする硬質プラスチック製のスペーサーです。
バイクシューズのソールの3穴に対応しています。
しかも、シマノのSPD-SLのクリートにぴったりフィットする形状です。
ルックのデルタクリートとケオクリートにも対応しています。

ペダル軸の中心から足の裏までの距離を調整するのがシムプレートです。
今までも色々なブランドから発売されていましたが、これほど完成度の高いシムプレートはありませんでした。
地味なパーツだけど本当によくできている。さすがわシマノ、いい仕事をしてくれています。
シムプレートの素材のプラスチックは、硬さからいって変形し難いレキサン系ではないでしょうか。
1セットにはシムプレートの肉厚2mmが2枚と。1mmが1枚、10mmのボルトが3本と13.5mmが3本入っています。
重ねるとズレないように成型されています。
2mmを14枚、1mmが7枚、10mmのボルトが21本、13.5mmのボルトが21本てに入れました。

そんなプロフィールのシマノの純正シムプレートですが、どんな時に使うのか分かりますか。
まずは左右の足の長さが極端に違っている時に、短い足の側のソールとクリートの間に適当な枚数をセットして補うパターンです。
左右の足の長さの違いをシムスペーサーで調整できたとしても、
ペダル軸の中心から足の裏までの距離が左右で違ってしまうので、ペダルの踏み味が変化します。
近い方が踏み込む足が安定して、高い方が膝から下のふくらはぎとすねの筋肉を使って安定させる傾向になります。

ビンディングペダルのペダル軸の中心から踏み面までの距離を近くする設計や、
バイクシューズのカーボンソールかによる薄い設計など、ペダル軸の中心から足の裏までを近く設計すると、
踏み込む足が安定するという、ロープロファイル設計の傾向にも少し疑問があります。
ペダル軸の中心から足の裏までの距離が近いと、ペダルを踏み込む足は安定しますが、
逆に、足首や足の本の少しの傾きによる、ペダルを踏み込む方向のコントロールや、
傾きの調整による、母指球の位置とペダル軸の位置関係を調整しにくくなります。

ルックの旧型のデルタクリートを使うペダルは、ペダル軸の中心からソールまでの距離が28mm、
ソールの厚さが11mmの合計で「39mm」。そんな距離が遠いペダルとシューズの組み合わせを使ってペダリングするとどうなるか。
足の傾きや足首の動きで、足を踏み込む方向を変化させやすいので、
クランクに取り付けられたペダル軸が描く円の接線方向になるべく沿うように力を加える事で、
クランクをより効率良く回せるペダリングテクニックを反映させやすい組み合わせです。

ロープロファイル設計のペダル軸の中心からソールまでの距離がソールが15.5mm、
ソールの厚さが7.5mmで合計で「22.5mm」です。
クランクを踏み下げる時に、近いペダルとシューズの組み合わせは、あいは安定しますが、
足の傾きやスナップなどの足の動きが反映され難い傾向になります。
足が安定して、膝から下の筋肉への足の傾きを支える負担が減るので、脚を単純に踏み下げるペダリングには向いています。
ロープロファイル設計の傾向になっていますが、本当に近いペダルとシューズのシステムが、
全てのライダーにマッチしているとは限らないと思います。

足の傾きや足首のスナップをペダリングに反映しやすい距離、しかも脚の膝から下の筋肉への負担も少ないという、
ライダーの好みに合わせて距離を調整する事ができた方がいいと思います。
シマノのシムプレートは1mm単位でペダル軸の中心と足の裏までの距離を調整できる分けです。
足元をちょっと見直して見てください。1mm単位で高くしたり低くしたり、ペダル軸の中心を前後へ動かして、
その設定を変えたペダリングなど、いろいろ試した結果はまたお話します。ではでは。