クマさんのバイク専科

ヘルメットが無かったらどうなってたろう!

つくばライドのマジカルミステリーツアーも、スポーツバイクつくばマツナガのサンデーライドミーティングも、参加の1つの重要な条件として、強度の保証されているハードシェルのヘルメットの着用が必須となっています。カスクやノーヘルメットでのライドへの参加はできません。今後ともハードシェルのヘルメットの着用をよろしくお願いします。ハードシェルのヘルメットは、転倒などで大きなショックを受けたら帽体の発泡スチロールのセルがダメージを受けて、割れていなくてもショック吸収性が低下しているので交換します。

 

発泡スチロール製の帽体の硬化による劣化を配慮して、傷がなくても2年から3年で交換しています。もったいないけど交換しています。アウトドアで使っていると、発泡スチロール製の帽体は、汗や紫外線やオゾンで硬化して、3年を過ぎると明らかにもろくなっていて、いざという時のショック吸収性が低下して、頭部へのダメージの危険度が高まります。機会がれば3年以上経過して古くなった傷無しのヘルメットを拳で叩いて、簡単に割ってもろさをお見せしたいと思います。

 

愛用しているハードシェルのヘルメットは、ジロが製造するラファを1年前に手に入れ、ジロのヘルメットは2年前に黒と青を同時に手に入れたイーオンという、240gの軽量モデルで、今回の落車で青いイーオンの左側の側頭部、樹脂製のアウターシェルがぼこぼこにへこんでいて、発泡スチロール製の帽体は側頭部から後頭部の付け根の、くびれた部分の帽体の分厚い発泡スチロールにひびが入り、かろうじて中に通っている樹脂で帽体はつながっていましたが、内側にへし折れて路面と衝突した大きなショックを吸収して破損していました。

 

バイクは前輪が暗がりの溝にはまって右へ倒れながら飛んでしまい、クマジジイはその反動で左に転がり路面を少し滑りました。膝、腰骨、脇腹、肩、左側頭部を道路へ打ち付けました。たいしたスピードではなかったので、擦過傷や打ち身にはなりましたがその場では動けて走って帰ってきました。でも、転倒してから1週間後のライドで走ってみると、左側の肋骨に痛みと腫れが発生して、肋骨の出っ張りの部分が骨折している事が分かりました。咳をすると痛いのですが、走り出して体が温まると痛みも薄らいで、踏むと痛いのでスピードは30km以上出せませんが、マジカルミステリーツアーを走れてしまいました。

 

この転倒は、たいしたスピードではなくても、横倒しになって路面を滑り、頭は路面に叩き付けられていました。転倒して2日目ぐらいから右の首が痛くなってきました。ヘルメットの壊れ方を点検すると、確かに発泡スチロール製の帽体と一体化したアターシェルの路面に当たった部分がボコボコにへこんで滑っていました。その部分のアウターシェルをはがして見ると、発泡スチロールの帽体の気泡(セル)がつぶれている事が分かりました。路面との衝突で相当の衝撃を吸収した事でつぶれているのです。その側頭部から後頭部を守るセクションのつながる部分から2カ所帽体が割れていまいた。

 

転倒して、かなりの衝撃にあったヘルメットは、帽体の発泡スチロールのセルがつぶれて衝撃を吸収してくれていることがあるので、帽体にひびが入っていないから大丈夫と思っても、一度強く打ち付けたヘルメットは、再度の使用を見合わせたほうが安全です。セルがつぶれていると次に衝撃を十分に吸収してくれません。自転車用のヘルメットは、220gから300gくらいですが、時速30kmで壁に正面衝突すると死亡する危険性があります。衝突した相手側に突起があると、エアインテークの穴のある自転車用のヘルメットですから、無防備な状態での衝突になる事もあります。

 

ハードシェルの発泡スチロールと一体成型(インジェクション成型)の、自転車用のヘルメットをかぶっていても、完全に安全ではなく、バイクでスポーツ走行する時の危険の度合いを低くできるだけです。それでも、カスクやノーヘルメットよりはるかに安全です。ノスタルジックや自由な感じがいいと、カスクをかぶって走って、ヘルメットと同じようにかぶって安全なつもりで走っているライダーもいますが、ハードシェルのヘルメットが無かった時代に、当時もっとも信頼されていたロジェリのカスクをかぶっていましたが、滑りに対しては少し効果がありますが、衝突に関してはほとんど効果がありませんでした。いま市販されてるカスクも同じようなものです。ヘルメットメーカーや、自転車用ヘルメットの規格制定や、製品の強度を測定する団体が行った製品のテストデータを見ると、プロテクション能力はまったくの別物です。

 

先々週のつくばのライドでの転倒事故でも、もしハードシェルの自転車用のヘルメットをかぶっていなかったとしたら、頭を強く打ってどうなっていたか、想像するだけで恐ろしいです。ハードシェルのヘルメットは、ただかぶっているだけではダメで、ストラップがだらりと緩んでいると路面と接触した時にずれて、ヘルメットの機能を果たさず危険です。後頭部に付いているアジャスターでフィットさせて、耳やあごとストラップとのクリアランスを、指2本がやっと入るくらいタイトに設定して、転倒時にヘルメットがずれないようにしてかぶりましょう。ではでは。