クマさんのバイク専科

手組みホイールが難しい時代になっていく!

シマノのハブ単体が進化を止めた!、シマノは単体売りのハブの新型デュラエースのニューモデルを発表しない。これは完組みホイールが全盛なので、手組みホイールに必要なハブ単体は旧モデルを継続としています。アルミ合金ハブシャフトのカップアンドコーンベアリング形式で、スモールフランジのカセットフリーハブです。新型ハブの開発や製造にかかるエネルギーをセーブすることになり、進化を止めてしまいました。それでもラインナップからハブが無くなるよりはましか。
 
 
 
手組みのホイールが絶対にいいという思いはありません。完組みホイールは全てのパーツを、使用目的に合わせて性能を決定する要素を新設計できるのだから、高性能ホイールができることは確かです。それでも、手組みホイールは、特徴のある目的に合ったリムを選び、スポークを選び、スポークの本数を選び、ニップルを選び、ハブを選び、スポークのテンションを調整して、縦横の触れを取ってセンターを出し、馴染み作業をして触れを出にくくして、目的に合ったホイールを手に入れることができます。
 
 
 
完組みのホイールも色々あるが、リム、ハブ、スポーク、ニップル、フリーボディなどが、メーカーのノウハウに従って理想的な形状に設計されて、生産ラインで組み上げられて出荷されます。理想的なホイールを実現するために、オリジナル設計は有効です。左右の剛性の差を少なくしたり、同一にしたりできます。シンメトリックやアンシンメトリックのリムの形状。スポークの本数。スポークのフォーメション。破断しにくくテンションを上げられるストレート引きスポーク,カーボンスポーク、エアロスポークなどのノウハウが投入されています。
 
 
 
その他にも、専用の軽量ハブ。アルミニップル。スポークホールなしのリムの溝など、乗り心地のいいロープロファイルモデル、空気抵抗の少ないエアロモデル、リムハイト35mmまでのオールラウンドモデルなど、軽量で剛性の高い完組みホイールが可能になります。もちろん今後は、各完組みホイールメーカーから、ディスクブレーキ用の前後ホイールもどんどんラインナップされます。前後輪ともディスクローターが入るのでアンシンメトリックデザインが採用されて、左右の剛性バランスが追求されることになる。リムの素材はアルミ合金やカーボン、アルミとカーボンのハイブリッドになり、チューブラー、チューブレス、チューブレスレディ、クリンチャーのタイヤの構造に合わせたものが用意されます。
 
 
 
旧型デュラエースのハブは24・28・32・36穴のスポークホール数が用意されている。11段用フリーボディは軽量化のためにチタンボディが採用されている。フランジの穴へL 字に曲げられたスポークを通す構造で。フランジの基本設計はタンジェント組み(交差組み)に対応だが、スポーク穴からフランジの先端までの距離があり、メーカーは避けるように指示しているがラジアル組みも可能です。
 
 
 
現在手に入るリムも少なくなって、マヴィック、アンブロシオ、コリマなどがある。イタリアのジョバン二の木リムは36穴なので、デュラエースのハブかアルテグラのハブが必要で、カンパニョーロは32穴以下なので、旧モデルを探して手に入れるしかない。シマノは現在も旧型とはいえラインナップされているのでそれしかないか。コリマの35mmや40mmなどのカーボンリムは、24・28・32・36穴が用意されています。走りに合わせてリムやスポーク本数やスポークテンションを選べる、手組みのホイールを作るのにハブと同時に重要なアイテムです。
 
 
 
リムの構造から、縦方向の剛性が高くなりがちな、カーボンディープリムホイールなのに、スポーク本数を増やして伝達効率を高め、スポークテンションを低目に設定して、しなやかで踏み込んだ脚への反力のダメージが少ないエアロホイールを組むことも可能です。振動減衰性がカーボンリムをはるかに上廻る木リムで組んだ前ホイールも実現可能です。
 
 
 
使用する木リムはイタリアのブナ材を3段に巻いて削り出して製造したモノで、コモ湖の湖畔にある手作りリム工房のジョバン二製です。しかも、木リム製造の経験があるアマンダスポーツの千葉洋三氏がリム断面形状をデザインしなおしてリムの剛性や強度を強化した、20mm×20mm断面のスペシャルモデルで組み上げます。700Cサイズは36本のエアロスポークのサピムのCXレイで支え、スポークテンションを低く設定して、木リムの振動減衰性を生かした、路面への追従性が高く、よく転がるホイールに仕上がります。
 
 
 
手組みホイールは、リム・ハブ・スポークやスポーク本数・ニップルを選んで組み上げることになります。オーダーしてから納品までに時間がかかります。リムやハブ、スポーク本数や組み方によるスポークの長さの選択などのノウハウも必要だし、リムに合わせたスポークテンションでの組み上げや振れとりの作業、慣らし作業による馴染みを出して再び振れ取りするなどが必要で、熟練のホイールビルダーがいるショップなら、手組みホイールならではの、ホイールの特性を実現することができます。興味のある方はスタッフにご相談ください。ではでは。