クマさんのバイク専科

カンパニョーロの12段コンポーネントの展示会

サイクルショップの休業日が集中する水曜日、ショップスタッフの休養日は一体いつになるのかと思うのですが、次々にメーカーや輸入代理店や卸屋さんの展示会が開催されています。スポーツバイクファクトリースズキのスタッフもスポーツバイクつくばマツナガのスタッフも、お昼過ぎには集合でした。6月6日東京のイタリア文化会館で、カンパニョーロのスーパーレコードとレコードの、フリー12段×フロント2段の24スピードのコンポーネントの発表展示会でした。

 

バイシクルビジネスとして俯瞰して眺めれば、実はサイクル雑誌やネット情報で報道されている、シマノの105の方が経済効果、自転車業界への影響は大きい存在で、いつ新型の7000系11段の105がインストールされたボリュームゾーンのロードバイクが、新モデルとしてリリースされるのかの方が重要度は高いのです。高性能の旧モデルになる11段の105搭載モデルが旧型になってしまうのですから。カンパニョーロファンとしてはちょっと寂しい限りですが、新型105のインストールやアフターマーケットへの投入時期は注目されます。

 

カンパニョーロの12段コンポーネントは、ロードコンポーネントに関わった6段フリーの時代から、次々に1段ずつ増えて行き、手元シフトのレバーが登場した90年には8段フリー、それ以後9段、10段、11段と増えて行き、その都度そんなにスプロケットが必要ですか?、と言うカウンターオピニオンが発せられて来ましたが、いつの間にか増えて段数がスタンダードになって行きました。逆にどこまでこのディレラーのシステムで増やせるのか、チェーンラインや耐久性に問題は発生しないのかと言う疑問が湧いてきます。

 

上位グレードのコンポーネントが11段になって、いつ12段化するのか、確かに12段コンポーネントは注目すべき製品ですが、スーパーレコード、レコードほどの高価な製品は、一体何セット日本で売れるのかな。世界で何セット売れるんでしょう。世界の自転車競技のトップシーンで使われるロードコンポーネントとして、老舗がプライドをかけて製品化しているのだと思います。カンパニョーロの規模の会社が投入する開発資金や製造コストに見合った利益をあげられるのか心配になってしまいます。

 

フリーの段数の増加で先行するカンパニョーロがメカニカルのリムブレーキ仕様は、6月中にデリバリー開始だそうです。40万円前後のスーパーレコード、30万円台のレコード、日本のマーケットはどの程度流通するのでしょう。収容人員370人のホールがショップのスタッフでいっぱいでした。スポーツバイクの店舗が2万軒と言われていますから、カンパニョーロファンのお客さんのために4分の1の店舗が買ったとして5000セットくらいかな。日本は世界で6番目とか7番目のユーザーだそうです。でも日本語版の取り説はパッケージに同梱されていないケースも増えていますからね。

 

その他にもボーラのTT用の77mmハイトの前輪や、60mmの前後ホイールの紹介、ディスクブレーキ対応ホイールも用意されていました。ホイールはチューブレスレディタイヤ対応の2ウェイフィット構造が採用されていました。12段のコンポーネントは、歯厚、スプロケットスペーサー、チェーンの幅、プーリーの幅の0、1mm単位のナロー化などで、130mmリヤエンド幅の中に12段スプロケットを納めました。メカニカルも電動メカのEPS も、スケルトンデザインではなくなった、新型デュアルピボットとダイレクトマウントのリムブレーキ仕様で用意されます。

 

もちろん130mmフレームはそのまま使えますし、130mmの11段が付くフリーボディに12段をセットできて、ホイールもそのままフリーボディの交換無しで使えます。フリーのスプロケットは、11〜29Tと11〜32Tのセットのみが設定されています。2018年の12月に店頭に並ぶ予定の12段EPSの油圧ディスクブレーキ仕様は、EPSエルゴパワーシフター油圧仕様レバーが用意され、油圧ディスクブレーキはフラットマウントの従来モデルの継続で、142mmリヤエンド幅でディスクローター対応のホイールも継続使用できます。

 

12段コンポーネントのデリバリーの予定は、2018年の6月から12月中となっていますが、メカニカルの12段はすでにワンロット目が到着しているそうですから、すぐにショップで見ることができるでしょう。それ以降の入荷スケジュールは少し遅れが出ているようです。カンパニョーロジャパンは早めの発注をとコメントしていました。プロは当然EPS のリムブレーキ仕様か油圧ディスクブレーキ仕様のアッセンブルでしょう。電動システムも12月ころには勢揃いの予定だそうです。   

 

こうなると、数年以内にシマノの12段コンポーネントがデュラエースクラスから発表されるでしょう、メカニカルとDi2の電動メカで、リヤエンド幅をどうするのか。Di2はワイヤードなのかワイヤレスなのか。やっと11段の105が発表されたばかりなのに、大変ですね〜。スラムだってワイヤレスで電動メカの12段のリムブレーキ仕様と、油圧ブレーキ仕様が発表されるでしょうね。ではでは。