クマさんのバイク専科

トライアスロンの強化策として外国人コーチ導入

2020年の東京オリンピックのトライアスロンの強化策として、外国人コーチの導入とナショナルチームに所属チームを越えて集って強化トレーニングするという。ピョンチャンオリンピックに出場して成功した日本のスケートのナショナルチームを手本にしたのかな。スケート強国のオランダのコーチを雇って、所属チームを越えて集って強化トレーニングすると言う手法が採用されて、世界選やオリンピックを経験して、8年以上かけて成果を出しました。さらに、日本のトライアスロンナショナルチームを、ウエザーニュースが気象予報でサポートしているそうです。

 

海外のナショナルチームで、スポンサー獲得が巧く行って、こんな強化策が行われているのだろうか。確かにトライスロンが国技ともいえるオーストラリアはアディダスと複数年契約してナショナルトレーニングセンターの設立や運営、強化費の提供を受けて、選手強化しているけど、1人のヘッドコーチがナションルチームメンバーのピックアップや、トレーニングの面倒をみると言う形式では無かったと思う。日本の51、5kmのオリンピックに関係するトライアスロンは、やはりスケートチームの外国人コーチの導入や、集っての強化方法とピョンチャンの結果を見ての強化プロジェクトのスタートなのでしょう。

 

選手強化には色々な方法があっていいと思います。アプローチはどうでもいいから世界で戦える選手に強化できればいいわけだから。90年代のコーチはロングのトライアスロン経験者や、51、5kmのノンドラフティングのトライアスロンの経験者が現場のコーチでした。現役を終えたトライアスリートが、オリンピックやアイアンマンに向けての強化を、コーチングの勉強をしながらの選手強化だった気がします。

 

オリンピックのトライアスロンへ出場するには、ITUやIOCに指定された期間に開催されるITU ポイントがかかった大会に出場した選手個人の獲得ポイントで、選手個人の世界ランキングが作られます。それをオリンピック出場国の参加選手の人数選定のための、国別ランキングの元データとします。世界選手権、ワールドカップ(現ワールドシリーズ)、大陸別選手権大会、ITU指定のローカル大会など、出場して獲得した選手個人のポイントで世界ランキングが作られて、各国の上位3人の獲得ポイントで、国別ランキングが作られて上位国3人、次の上位国2人、その次の上位国に1人という出場枠が国に与えられます。

 

その国のITU承認の競技団体に与えられたオリンピック出場選手人数枠を、その国の競技団体が事前に制定した、世界ランキングや結果での選抜方法や、ナショナル選手権の成績で、出場選手の個人名が選ばれることになります。先日のニュースでウエザーニュースがトライアスロンの強化に協力していることが紹介されていました。スイム1、5km、バイク40km、ラン10km、アウトドアで戦うトライアスロンですから、水温、潮の流れ、湿度、気温、風の強さや向き、パフォーマンスに関係することは確かです。最後の1mや10cmを争うには重要かも知れない要素です。

 

でもね、現段階の日本の選手で、天候のコンディションを知っているか知らないかで、勝敗や順位を左右することは無いと思います。もっとどんな気候やコンディションでも対応できる、基本的な戦える力をつけてからなら分かりませんが、現段階ではデータを生かせるところまできていないのでは。でも、ノウハウ蓄積のために、データの生かし方のシミュレーションはおこなうべきでしょう。日本人選手のレースパフォーマンスで、なんでトップ選手に遅れるのか、上位進出できないのか、上位進できたレースでは何がその原因だったのか。選手ひとりひとりのレースパフォーマンスや、1つ1つの競技パフォーマンスを把握して、選手の特性を解析して、世界ランキングアップを目指した強化に集中すべきでしょう。

 

スイムでの出遅れは、泳力が足りないのか、プールでは速いのに波や潮の流れに対応できないのか。バイクのスピードが足りないのか。ランの持ちタイムが足りないのか。持ちタイムとレースでのタイムの差が大きければ、バイクの力が足りずに40kmはドラフティングで、ほぼ同時にバイクフィニッシュできていても、集団走行で脚の力を削られていて、ランの力を発揮できていない可能性があります。そうなると、いくらランの力を磨いてもレースパフォーマンスは向上しません。その前のスイムでトップから千切られること無くフィニッシュする泳力と、時速45km前後で40kmの距離を余裕を持って走れるバイクの力を付けないと、いつまでもランで大きくスローダウンを繰り返すことになります。

 

バイクはフィニッシュした時の見た目の順位ではなく、集団走行でどのくらい脚を使って疲労が蓄積しているかが強化の指標になります。パワーメータークランクでのワット数の変化のデータを見れば、その選手の現在のレースパフォーマンスを客観的に評価できて、ランへの影響を低下させるには、どのくらいまでバイクの力を強化する必要があるかを把握できます。気候やコンディションを知ることが、どういう効果を生むかと言うことは、ウエザーニュースのスタッフも、トライアスロンがどんなスポーツかを把握して、コーチも気象が選手のパフォーマンスにどう関係するのかをレースパフォーマンスを研究して、選手へどう走ると有利かのアドバイスに反映させて、少しでも有利なレース展開へ結びつける必要があります。

 

風が強いと背の高いディープリムが不利とか、低い方が有利とか、そんな単純なことではなく、ハブ軸が固定された後輪と、フォークが回転方向へ動く前輪とは風の影響がまったく違います。雨の日は空気圧を低下させて接地面積を増やしてグリップを稼ぐとか紹介されていましたが、その選手が使用しているタイヤの特性で本当にそうなるのか?。コーナリングのグリップを重視するならタイヤを太くしたほうがいいのかも、51、5kmやショートに合った物をもっと真剣に考えてほしな〜。

 

51、5kmやショートディスタンスのトライアスロンのドラフティング走行のバイクセクションで使われるバイクは、DHバーの無いロードレーサーが主流になっています。変速システムはもちろん電動メカです.ホイールはディープリムが多いですね。51、5kmトライアスロンのバイクは、ブレーキレバーのブラケットの先端から前に飛び出さない、DHバーの取り付けが許可されています。でも、バーが短いのでグリップ位置が近くて中途半端なフォームになりがちです。40kmの距離のレースを有利に運ぶための機材選びは、そう単純ではないと思います。ではでは。