クマさんのバイク専科

黒姫合宿のフィッティング

黒姫高原るんるん合宿の6月が終わりました。
つくばでマジカルミステリーツアーやSRMで一緒に走っているライダー達は、マジカルの時に走りを見て、体力の変化や筋力のパワーアップなどに合わせて、ポジションをちょくちょく手直しているので、黒姫高原で改めてローラー台に乗ってフィッティングすることはめったにありません。
実際に平地や下りや上り坂など、フレッシュなライドの前半から、疲労が蓄積してくる後半のフィールドを走る姿を見て、ペダリングする脚の動きを横や真後ろから見て確認します。


ペダルの踏み面の上でバイクシューズのカカトが踏み込むたびに大きく動いているのは、ライダーにするとペダルの踏み面の上で脚が滑っている感じで、効率良く踏み込めていないと感じるはずです。
それは、踏みやすい足の位置や向きを探している自然な動作で、クリートの設定のわずかなズレの修正を行い解消します。
黒姫高原周辺のコースの平地、上り、下りでパワーを発揮しやすい、しかもクランクを回しやすい腰の位置を実現する、サドルの位置の見極めも重要です。
上死点近くになると太ももが上へ上がり、股関節の詰まり感が発生しているのに気が付いていないライダーは多いのです。


サドルをわずかに後ろへ移動して、膝関節を開くようにすると詰まり感を解消できますが、ハンガーの中心から腰の位置までの距離が遠くなりますから、サドルの高さを数mm下げる必要があります。
パワーを引き出せる腰の位置をサポートするように、サドルの前後位置や取り付け角度の微調整を行います。


黒姫合宿に初めて参加のライダーの場合は、固定式のローラー台で20分間のウオーミングアップをして、フィッティングが始まります。ウオーミングアップの軽い負荷の段階のペダリングからウォッチングして、毎分80回転くらいできる重い負荷のペダリングにして、その間のペダリングの変化をチェックして、バイクシューズを見せてもらいクリートの調整を行います。
まずバイクとライダーのパワーを伝えるインターフェイスのクリートの位置を微調整します。


次がペダリングの軸になる腰の位置を決めるサドルの位置の調整です。
そこが終わって、初めてステムの高さを2mm・3mm・5mmのスペーサーで微調整したり、ハンドルバーの取り付け角度の調整、そしてブラケット位置の調整になります。
クリートの位置が決まってソールに固定したら、バイクに股がってもらって、左右の足のキャッチ&リリースがスムーズになったかを確認します。
一般的には足踏みしてもらった、クランクを踏み始める位置の、何の制約もない状態の足の向きを参考に、クリートの取り付け角度を調整します。


自転車経験が浅く、筋力がまだ出来上がっていないライダーの場合は、母指球の骨の先端の位置より、ペダル軸の中心が2〜3mm後ろ(カカト寄り)になって、踏み込む足が安定する設定にします。
ペダル軸の中心がカカト寄りの設定は足首の動きをペダリングに反映しにくくなりますが、ふくらはぎとすねの筋肉への負担が小さくなります。
クリートだけでなく、サドルの高さ、取り付け角度、前後位置の設定も重要だし、ステムの高さや、ハンドルの固定角度やブラケットの固定位置も、腰から背中の上半身の折り曲げる深さや、肩や首筋や腰の張り、腕や手の平への負担になるのか、ライダーがどのくらいのパワーを無理なく発生させるかに関係します。


固定式のローラー台でのポジションのチェックには、低負荷での20分間のウオーミングアップを兼ねたペダリングで、現在のポジションでのフォームを確認して、おおよその無理のないポジションを見極めます。
現在のクリートの位置でのペダリングによる脚の筋肉の動きや足の動きも確認します。
これが毎分80回転できるくらいの負荷のペダリングになると、脚の動きや筋肉への負荷はどう変化するのか、足が無理のある動きや、クランクを踏み込むパワーを発揮しようとして、腰の位置や上半身も動き始めます。


毎分80回転の負荷の高い状態で、ブラケットを握っていたのを、ドロップバーの上の直線部分を握ってもらい、腕にゆとりを作ります。
すると、腰の位置が自然にパワーを発揮できる前後位置や、太ももの前側と後ろ側の筋肉を使える骨盤の角度になってペダリングするようになります。
その腰の位置をサポートするサドルの前後位置や取り付け角度、そして、クランクを踏み込めて、しかも回しやすい、踏み下ろした下死点でも脚が軽く曲がるサドルの高さに調整します。
下死点で脚を真っ直ぐにのばしたとき、足の甲が水平になる少し低いかなと感じるほどのサドルの高さを基準にします。


クリートの前後位置・内外・土地付け角度。サドルの前後位置・取り付け角度・高さ。ステムの高さと長さ。
ハンドルの取り付け角度。ブラケットの上の面がてに馴染む位置を調整して行くと、固定のローラー台上で段々無理のないフォームになって行きます。
ローラー台でのフィッティングが終わったら、上り・下り。平地のあるフィールドを走りに出て、微調整することになります。


リピーターで固定式のローラー台で再び調整するのは、新車を購入したり、ポジションに関係するパーツを交換して、黒姫合宿お披露目というときくらいかな。
それに、バイクシューズを新調したり、クリートを交換して元の位置へ戻せた自信がなく、どうもちょっと違う気がするとか、ビンディングペダルをシマノからルックにしたりとか、そういう時にはクリート位置の設定を、前後、内外、取り付け角度などを調整することが多いですね。でわでわ。