クマさんのバイク専科

SR サンツアーのスルーアクスルが凄い!

SRサンツアーってオールドファンには懐かしいブランド名ですけど、栄輪業とサンツアー(マエダ工業)が合同した台湾に製造拠点を置くブランドになっています。シュパーブプロとかサイクロンのロードコンポーネントが懐かしいですね。フロントサスペンションなどを供給するメーカーとしてブランドは生き残っています。

 

ディスクブレーキがロードバイクに採用されるようになると、嫌も応もなく2017年はこの波がじわじわと押し寄せてきます。サスペンションフォークや、リヤサスがダウンヒル系だけでなく、クロスカントリー系でも普及したMTB は、中空のハブ軸を太くして、フレームにホイールを固定するシャフト(スルーアクスル)も太くして、フレームやフロントフォークの剛性を強化する効果があります。そのMTB で採用されているスルーアクスルがロードバイクのディスクブレーキ化に対応して採用されることになります。

 

リヤエンド幅は一般的なロードの135mmのクイックレリーズタイプより広くなって、142mmになります。現実に2016年モデルからこの規格やスマート台座のディスクキャリパーを採用しているメーカー完成車もあります。キャノンデールのスルーアクスルを採用した前後ディスクブレーキを装備したロードバイクで、前後ホイールの着脱のスピードや、着脱のやり方がどうなるかを試してみました。

 

ディスクブレーキ装備のロードバイクは、リヤビューがなんともシンプルですね、シートステーのブリッジに何もありません。フロントへ廻ってもやっぱりフォーククラウンのところがシンプルです。ディスクブレーキを操作する油圧のラインは、フォーククラウンのところに穴が開けられて、フォクブレードへ通されて先端近くで外に出て、スマート台座に2本のボルトで固定されたディスクブレーキのキャリパーへ接続されています。

 

スルーアクスルのフレームは、リヤエンドの左側はスルーアクスルとハブシャフトが通るスロット(溝)だけ、ディレラー側のエンドにはハブシャフトが収まるスロットとスルーアクスルの先端がねじ込まれるネジ穴が開けられています。フロントフォークのエンドの構造は右側はスルーアクスルとハブシャフトが通るスロット(溝)だけ、右側のエンドにはハブシャフトが収まるスロットとスルーアクスルの先端がねじ込まれるネジ穴が開けられています。左右のエンド幅は100mmです。

 

スルーアクスルのシャフトはスキュワーのような構造で、基本的にはレバーとシャフトで構成されていて、シャフトの先端にネジが切られていて、エンドにホイールをセットして、左側からスルーアクスルをハブの中空シャフトへ通し、エンドのネジ穴へ、スルーアクスルのレバーを回して締め込んでホイールを固定します。ホイールの取り外しは、左側のレバーを左へ回して抜き取ると、エンドからホイールを取り外せます。

 

ホイールの着脱のときは、ホイールのハブに固定されている薄い金属板のディスクローターを変形させないように注意します。特に取り付けるときはブレーキキャリパーのブレーキパッドの間へ巧く滑り込ませる事が重要です。車輪を分解して運ぶときもローターを変形させないように注意する必要があります。

油圧のディスクブレーキの場合は、ディスクローターがブレーキパッドの間に入っていない状態でブレーキレバーを引いてしまうと、ブレーキパッドせり出したままになって固着することがありますから、専用のプレートをはさんで移動するようにします。

 

ブレーキパッドが固着した場合は、へらのような工具をブレーキパッドへ差し込んで広げて解消する場合もあります。油圧のデョスクブレーキ装備のロードバイクを逆さにして整備したり、収納すると気泡がオイルラインに入ってブレーキの利きがスポンジ状態にならないか心配する人もいます。これはフールドの注入のときの問題で、最新の油圧式のディスクブレーキは、ワンウェイブリーディングという作業しやすい構造が採用されて、一方向からオイルを注入して気泡を排除して、カチッとしたブレーキレバーのタッチを実現できるようになっています。

 

専用オイルをブレーキレバーやラインやキャリパーへ注入するさい、気泡を完全に抜き取るまでキャリパー側へオイルを流すこと、そして、ブレーキレバーのオイルの予備室への注油も、オイルの表面張力を利用してすき間無く、気泡が入らないようにカバーの出っ張りを油面へ浸すようにして、慎重に作業を行う必要があります。

 

スルーアクスルとディスクブレーキのメリットは多いですが、実際に車輪の着脱をやってみると、慣れてもレバーを回して固定するのでクイックレリーズより車輪の着脱に時間はかかります。もちろんそれはロードレースでの話ですから、一般ライダーには影響はありません。てなことをMTBダウンヒラーでもあるメカニックと話していました。すると、SRサンツアーのサスペンションフロントフォークに、クイックに着脱できる機構が付いているスルーアクスルがあるんです。と、見せてくれました。

 

確かにスルーアクスルのレバーを食いいくレバーのように動かすワンアクションで、エンドとホイールの固定が解除されて、素早くスルーアクスルを引き抜いたり、差し込んで、フロントもリアもホイールを着脱できました。このアイデアの構造をシマノやフレームメーカーが、ロードバイクのスルーアクスルに採用したら、ホイールの着脱がもう少し簡単になりそうです。ではでは。