クマさんのバイク専科

乗鞍の試走で1時間20分を切っていた!

2015年の乗鞍マウンテンヒルクライムは、22kmのフルコースで実施される予定でしたが、前日からの雨のために中盤からの道路が20cm近く冠水して走行が危険なため、7km地点まででレースが実施されました。女子クラスのエントリー人数は200人を大きく越えていましたが、少しスタート時間が遅れ、7kmで開催されることが決定されてから、それでも雨は降り続け、実際にスタートラインへ集合したのは200人ほどでした。

 

レース形式のヒルクライムイベントへ初参加のたまごさんは、集団走行のペースが分からないし、目を三角にして走るライダーとの接触転倒を避けるために、後の方に並んでのスタートになりました。ここのヒルクライムのタイムの計測はスタートラインに設置されたセンサーを、脚に巻きつけた計測チップが通過した瞬間に計測スタートになるので、必ずしも集団の前でスタートする必要がありません。

 

だけど、上位入賞しようという選手は集団の前でスタートして、実績のある速いライダーが前に陣取ってライバル達とペースを作って、序盤から縦長の集団になって走ります。最後尾でスタートして追い上げるような上入賞を狙うライダーはまずいません。まあ、初参加だし、ウオーミングアップも20分と、ほどほどにしかやっていないし、最後尾スタートで安全な方がいいなと思いました。それほど、この乗鞍のヒルクライムのチャレンジに、入れ込んでいないと思っていました。

 

でも、たまごさんの日頃の走りからすると、このメンバーは確かに経験もあって速いけど、心肺機能の高いのを生かして、真剣に走ったらショートコースでもフルコースでも上位入賞はできるだろうと、密かに思っていました。むしろ傾斜のきつくなる後半のコースがないのが、上り坂が得意のたまごさんにとっては不利になると思っていました。勝負はたったの7kmで傾斜が緩いコースなので、スピードがあるライダーがスプリントのつもりで走ったら千切られるのではと心配していました。

 

マスドスタートのレースイベント参加経験がほとんど無いたまごさんは、さすがにスターティンググリッドに並んで緊張していたようです。ぎりぎりまで着ていたウインドブレーカーを受け取りました。号砲が鳴って前のライダー達が、カチカチッとビンディングペダルへ足をセットして、前に進んで行きました。スタート寸前から雨がザーザー降りになってきました。たまごさんは、周りをライダーに囲まれて、スタートでやらかしていました。左足の爪先でシマノのビンディングペダルの踏み面を起こしそこねて、クリートをキャッチさせることに失敗していました。

 

しばらくそのまま進んで行きましたが、完全に立ち上がり加速で置いていかれて、スタートラインを超えるころには、本当に最後尾からのスタートになりました。20mくらい過ぎたところでやっと両脚がビンディングペダルへセットされて加速して行きました。7km地点のゴールでは先頭グループがすぐ側に見えてのフィニッシュだったそうです。なんだ傾斜が緩いコースでもたまごさん速いじゃない。そういえば、男性ライダー達とつくばの平地コースを走っていて、負けていなかったな。

 

100kmライドのコースで、広い直線道路のスプリントポイントになると、10人から20人で走っていて、自然に一斉にダッシュが始まるんだけど、さすがにパワーのある男性ライダーたちは58kmとかで逃げます、800mくらいでへこたれてきて、52kmくらいで追い上げて来たたまごさんに交わされるのがパターンでした。それを考えたら7kmの緩い上りコースで、上位入賞してもおかしくないな。確か6位だったけど、寒くて、銭湯に寄って、早く温まって帰りたかったから、表彰式にも出ないで松本市内へ向かってしまいました。

 

2016年の乗鞍ヒルクライムへのチャレンジは晴天でフルコースでした。普段のライドから、かなり上り坂を走ることを意識した走りをして、事前に乗鞍のコースを何度も走って、ケイデンス重視で最初から最後まで走り切るのは無理で、踏んで回して効率良く走ることを意識したそうです。バイクもエッジからより剛性の高いVXRS に変わりました。スタート地点に近い宿の朝食の時間が分かりませんでしたから、松本のコンビニで明日の朝ご飯を手に入れたらと提案してみましたが、朝ご飯を早く出してくれるそうなので、それを食べて走ることになりました。

 

今年は2人が嫌がっても、トータルで40分間のウオーミングアップをしてもらいました。途中で朝ご飯を食べる時間になったのには参りました。食後、少し休んでウオーミングアップのプログラムを再開しましたが、たまごさんはお腹に残った朝ご飯が原因でレース中に腹痛を起こしたようです。先週、乗鞍のコースを走ったときは、1時間20分を切ってフィニッシュしていたので、しっかりウオーミングアップして、食事も3時間から4時間前に済ませていれば、その試走のタイムを上回っていたかも知れません。

 

スタートまでのルーティーンをコツコツ積み重ねることができませんでした。経験が少ないことが災いしました。上位入賞できるパフォーマンスを発揮できなかった、もったいない結果です。平常心拍数が毎分30回台、250ワットを継続できる心拍数が160拍台というポテンシャルがあるのに、腹痛をこらえて平均心拍数が150拍以下で完走することに切り替えて走ったそうです。1時間25分かかり17位、試走の時より6分もの遅れですから確かに不完全燃焼でしたね。ではでは。