クマさんのバイク専科

ネタ元は自転車雑誌でボツになった原稿です!

自転車雑誌の企画で、今、ボツを編集者から知らされた原稿です。もったいないのでブログで公開しちゃいます。ビンディングペダルについての記事です。ビンディングペダルは、基本的にキャッチ後も足を動かせるから、クリートの向きの調整はだいたいでいいというのは間違いです。シマノのSPD-SLの場合は、足の向きを大きく動かせる黄色いクリート、中くらいにかかと側を動かせる青いクリート、固定モードの赤いクリートがあります。ソールに3本のボルトで固定されたクリートは、ビンディングペダルのキャッチメカニズムに収まって、足を固定して、パワーをバイクに伝える重要なインターフェースです。

 

キャッチ後に足を動かせる構造でも、クリートの位置は前後位置、内外、取り付け角度は、mm単位の調整が必要というのが僕の考え方です。クリートをバイクシューズのソールに止める位置は3つの要素があります。前後位置の調整は、足の親指の根元のふくらみの中にある、かかと寄りの骨の母指球という骨の先端より、ペダルシャフトの中心が2mmから3mm後ろに設定すると、膝下の筋肉への負担が減って踏み込めるようになります。クリートのつま先寄りと、かかと寄りの調整で、ペダル軸の中心の位置を親指の母指球と、小指の付け根の小指球の骨の範囲を移動して調整します。

 

素足になって爪先立ちで立って見てください。体重がかかる足首を支えるために、膝から下のふくらはぎとすねの筋肉に疲れが集中します。これが、母指球とペダル軸の中心が、一致したり、つま先寄りの設定の足の状態です。足首の動きをペダリングに反映させやすい設定です。足のスナップを効かせるような動きで、ペダル軸を足で押し出す方向を、ペダル軸が描く円の接線方向へ移動させて、効率よく踏み込むペダリングに向いていますが、膝から下の筋肉をより使って足首を支えるので、この設定でペダリングを続けるには、膝から下の筋肉の発達が必要です。ふくらはぎがつったり、筋肉痛になる場合は前後位置の見直しが必要です。

 

爪先立ちの状態から、わずかにかかとを下げると、ペダル軸の中心を後ろへ移動した状態と同じようになります。ペダリングで踏み込む足が安定して、強く脚を踏み込んでも、膝から下の筋肉で支えるストレスが小さくなっているのを体感できます。ペダル軸の中心の位置は、足首の動きを反映させた接線方向へ踏み込むペダリングをしたいのと、踏み込む足を安定させて、膝から下の筋肉へのストレスを軽減することを配慮して、実際に走りながら自分にはここがいいと感じるまで、前後にmm単位で調整することになります。。

 

ビギナーライダーの場合は、膝から下の筋肉への負担を避ける、バイクシューズのスリットの一番後ろまでクリートを後ろへ引いて設定して、そこから、走り込みながら、mm単位で調整してベストな位置を探しましょう。内外の位置は、クランクを回しやすいように、クリートの位置を外側へ移動して、足がクランクに触れないぎりぎりの内側へ近づけます。足の自然な向きにクリートの取り付け角度がズレていると、ペダリング中に足が踏みやすい位置を探して動いたり。4時間で約2万回ペダリングするので、わずかなズレでも膝の痛みの原因になる可能性があります。

 

足の向きにクリートの向きが合っていると、膝関節の痛みが解消されたり、ペダルの踏み面を起こして、足を乗せるだけで、力を入れたり、足の向きを細かく動かさなくても、スムーズにクリートがビンディングペダルのキャッチメカニズムに収まります。足の固定を解除するリリースも、外したいとかかとを外へひねると、スムーズ解除されます。イメージより大きく捻らないと足がビンディングペダルから外れない場合は、クリートの向きの見直しが必要です。これでボツ原稿の有効利用ができました。ではでは。