クマさんのバイク専科

サイクルスポーツ次号の販売促進です!

5月の20日発売のサイクルスポーツをぜひ見てください。後1週間で発売です。忌野清志郎さんが亡くなって10年目の特集として、愛用していたオレンジ1号と2号が紹介されています。2台のフレームはスポーツバイクつくばマツナガの松永店長が作ったプロジェクトMです。キヨシローさんは50歳のとき、体力の維持のためにスポーツバイクに乗り始めています。最初はケルビムのスチール製のオーダーバイク、2台目はトレックのOCLVに乗って、3台目がオレンジ1号で、4台目がオレンジ2号でした。2台のオレンジ号の主要コンポーネントは、コンパクトクランク以外は、カンパニョーロのレコードでした。

 

1週間前の日曜日の午後4時の約束で、サイクルスポーツ編集部の栗山くんとカメラマンがつくばのショップ兼工房へ取材にやってきました。僕は朝からつくばを走るマジカルミステリーツアーで走って戻って来ていました。たまたまNHKの特別番組で、忌野清志郎さんがロードバイクに乗って奥の細道を走るライダーとして出演した「ツールド奥の細道」という番組を作った、当時ディレクターだったマサローさんと走っていたので、ショップに帰ってから、取材に来た栗山くんへ紹介しました。

 

取材はショップ内のキヨシローさんのカーボンフレームを2台作った治具が置かれている工房や、店の外観、顔写真、キヨシローさんが松永店長とみちこさんの結婚式用に作ってくれたオリジナルの曲、「真冬のサイクリング」が吹き込まれたCDを撮影しました。その後で、2時間くらい工房内でインタビューがあり、それが4ページの記事に反映されています。キヨシローさんはオレンジ1号をオーダーする1年前くらいからつくばに走りに来ていました。マネージャーが運転するルーフキャリヤ付きのベンツのワゴンで来たり。アヴェンシスで代々木上原の自宅へ迎えに行ったり。

 

つくばで走るのを気に入ったようで、時には、何の前触れもなく、一人で代々木上原の自宅から走り出して、車の多い6号線を走って来て、スポーツバイクつくばマツナガの前にやって来て、「ホテルオークラを今日と明日とってくれる?」と言って、土曜日のマジカルミステリーツアーと、日曜日のショップ主催のサンデーライドミーティングに、ひょっこり参加したりしていました。帰りは夕方になるので送って帰りましたが、麺類が好きなキヨシローさんは、谷田部のイタリアの台所でスパゲティーを食べてから帰りました。

 

週末のこともありましたが、プロジェクトMをオーダーすることになって、採寸して、オーダー内容が決まって、オーダーシートに契約のサインをしてからは、平日にお休みができると、よく走りに来ました。サインしたオーダーシートのコピーが、工房のドアに張り付けられています。フィッティングコーナーの横のネットには、キヨシローさんが愛用していたボトル、リヤ変速機、バイクシューズが何の説明もなく飾られています。契約してから半年が過ぎた頃からは、毎月1回から2回くらいのペースでつくばへ来て、オークラに泊まって走るようになりました。

 

スポーツバイクつくばマツナガに寄って、松永店長にオーダーしたプロジェクトMがどうなったかを聞いて、クロモリのラグの材料のチューブと、カーボンチューブを見せられて、がっくり来ていたのを思い出します。何度も来るたびにそれを見せられて、何度目かにラグ用のチューブがカットされたのを見せられて、「まだラグの段階だった、あと3台だと言われたよ」とぼやいていました。あまりに可哀想だったので、率直に、「松永店長に作る順番を早めてもらいましょうか?」、と言ったことがありますが、「このまま松永さんのペースで進行してもらって」、と言われました。

 

平日の夕方に送って行くときは、荻窪のトライアスロン爺さんのやっている居酒屋さんのカカシで、納豆定食と焼きおにぎりの炭水化物ローディングや、ゴーヤチャンプルと豆腐もやし炒め、きゅうりの古漬けを食べに行くか、東中野の讃岐うどん屋さんの四国屋さんで、生ビールを飲んで、おいなりさんを食べて、熱々の天ぷら、じゃこ天、モツ煮込み、肉きざみうどんかカレーうどんを食べて帰りました。キヨシローさんは中日ファンなので、中日と巨人戦などがテレビで流れていると、お店で深夜まで飲んで食べていました。新大久保のリハーサルスタジオの行き帰りに、よくオレンジ号で立ち寄っていたそうです。

 

オレンジ1号のデビューは、シマノ鈴鹿のサーキットでのキヨシローさんのコンサート会場になりました。オーダーを受けてからまるまる1年が経過していまいた。レコードで組まれ、ホイールはカンパニョーロのボーラ50mm、ハイペロンが用意されました。風の具合でハンドリングに影響を感じたら、前輪をハイペロン、後輪をボーラ50の前後異形ホイールの採用も視野に入れていました。タイヤはヴェロフレックスのクリテリウムや、ヴィットリアのCXのエヴォリューションでした。しなやかで路面からのショック吸収を考えたアッセンブルで、空気圧は前輪が7気圧、後輪が7、5気圧の設定でした。

 

2台のオレンジ号は代々木上原のプライベートスタジオの「ロックンロール研究所」に保管されています。数ヶ月前に坂間メカニックと行って、キヨシローさんが使っていたものの展示会用に、コンチネンタルの空気の抜けの遅いモデルに交換して来ました。サイクルスポーツが4ページの特集のために2台のバイクを撮影した場所は、代々木上原の個人事務所のベイビイズの会議室です。そのサイクルスポーツの発売は5月20日です。ぜひお買い求めの上ご覧ください。と栗山くんが申しておりました。松永店長の技術をキヨシローさんが信頼して、2台続けてオーダーしたので、しなやかなオレンジ1号と、シャキッと上れるオレンジ2号の2台ができたわけです。サイクルスポーツの記事チェックしてくださいね。ではでは。