クマさんのバイク専科

マヴィックのコスミックの80mmすごい迫力!

つくばを走っていてもよく見かけるようになったし、エンデューロでもディープリムじゃないバイクの方が少なくなった気がします。気になって茂木のエンデューロで1000台をウオッチしてみると、60%くらいが35mmハイト以上でした、エアロ系ホイールのすごい普及率です。ノーマルとかスタンダードホイールってロープロファイルじゃない感じでした。ちなみにディスクブレーキ装備のバイクは3%でした。どこまでカーボンディープリムホイールは普及して、リムハイトはどこまで高くなるんでしょう。

 

もうすぐディスクホイールになってしまいそうです。高くすればするほどいいのかな〜、一般ライダーにとって何が良くなるんだろう。想像していても仕方ないので、2週間ほどマヴィックの80mmのディープリムホイールを前後にセットして試乗しました。上り坂も含むオールラウンダーという意味ではライダーがパワー不足でしたから、上り坂で重く感じるので星1つか2つです。TT用としてはスムーズで平坦なコースではリム周辺重量の慣性を生かしてスピードをキープできて、大きなパワーを継続して発揮できるライダーなら星4つというところでしょう。

 

立ち上がり加速の踏み出しは重いけど、スピードに乗せてしまえば平坦コースならスピードが落ちにくく継続できます。一般ライダーがトレーニングやライドに常用するよしたら、縦剛性による路面からの振動や、足への反力でふくらはぎとアキレス腱との境目にストレスが蓄積するし、前輪は風の影響を受けやすく、ハンドリングの修正に備えて緊張感を強いられて辛かったですね。前輪の80mmハイトは断続的な風が吹いていたら、ステアリングへの影響があり、相当覚悟して構えていないと、修正のハンドリングに対応できません。

 

直線でもコーナーでも、風にあおられてぐらっとしたり、怖いと感じることがありました。これは、長く乗っていれば慣れられる範囲なのかもしれませんが。後輪にボーラ50mm、前輪に20mmハイトのハイペロンの前後異形ホイールを常用していると、ハンドリングの修正がストレスになりますね。後輪は車軸が固定されていてホイールの向きが動かないので、風の影響が少ないから、80mmハイトでも大丈夫だけど、前輪は軸を固定したフロントフォークが左右回転方向へ動くので、35mmや50mmハイトの前後輪異形の組み合わせにした方が、風への対応を気にせず、緊張感がなく、走りに集中できていいんじゃないかな。

 

マヴィックのカーボンディープリムリムホイールの80mmハイトを前後へセットしたバイクがメンテナンスのために置かれていました。ノーマルロードだけど、横から見て面積が大きいので、ものすごい迫力があります。タイヤもマヴィックで黒いトレッドゴムに黒いタイヤサイドで、さらに一体感があってド迫力を醸し出しています。さ〜て、80mmハイトのカーボンディープリムホイール装備で、どんな走りに使っているバイクなのかな。マヴィックぐらいのカーボンリムの剛性や強度があればスポークテンションも上げられますし、パワー伝達効率も高く、ホイール全体の剛性も縦方向も横方向も十分あってパワーロスしません。

 

ところが、背の高いディープリムの中にはリム単体重量が400gを切って、340gクラスの軽量化を追求したモデルもあります。リムブレーキの場合はブレーキパッドと摩擦する部分の肉厚を薄くはできませんが、エアロリムの長い2辺が薄く成型されたディープリムの軽量ホイールがあります。2辺が紙のように薄くペラペラにカーボン繊維が成型されて、スポークのテンションがかかったところだけ引っ張られて変形しているものがあります。2辺の部分を指で押すとペコペコへこむような、カーボンディープリムのホイールの剛性は縦方向に硬く感じても、横方向には剛性が低いものがあります。

 

クランクを踏み込むたびにホイールがたわんでパワーロスするので、リヤブレーキのブレーキパッドへ、リムがたわんで接触したりするものもあります。持ったら軽く、低速からの踏み出しは軽いけど、中速からトップスピードまでのワット数が高まる時の加速感がスポイルされてしまいます。一般ライダーが手に負えるのは、カンパニョーロの50mmハイトのボーラ50くらいでしょう。それでも前後輪に取り付けると迫力があって、ロープロファイルホイールと比べると、ホイールの縦横方向の剛性があって、やや路面からの振動が伝わるな〜と感じるし、踏み込んだだけググッと進むけど、脚のアキレス腱とふくらはぎの境目にストレスがたまるほどのダメージを受けるほど、剛性の高いモデルです。

 

常用するには、継続して200ワットから300ワットを平地や上り坂で発揮できるライダーなら、平坦コースだけでなく、上り坂でも使いこなせるホイールです。ロープロファイルホイールより重いギヤ比を踏み込めるほど、パワーロスがない乗り味が印象的ですが、前後輪にボーラ50をセットして走ると、直進安定性は増してバイクを意識して倒して曲がる感じですが、突然の横風や断続的な風を受けると、前輪が影響を受けてハンドリングが不安定になり、ライダーが風を意識して対応して走ることになります。

 

家並みが途切れた瞬間に前輪が風を受けて、バイクがぐらっとする瞬間があります。慌ててハンドル操作でカバーしますが、「怖っ」と感じたり、胃がじわ〜っつとストレスを感じます。普通にひらけた場所や家並み、コーナーを走ることができない場合は、前輪にハイトの低いホイールをセットしましょう。山並みが途切れて吹きっさらしの場所でも、前後輪ボーラ50で怖い思いをしたことがあるので、前輪は35mm以下のハイトのホイールを選ぶようになりました。ハイペロン、コリマのカーボンの35mm、ジョバンニの20mm・20mm断面の木リムのホイールを組み合わせています。

 

後輪はハブ軸が後ろ三角に固定されているので、かなりの風を受けても受け流すことが可能で、50mmハイトまでなら真っ直ぐ走ることに影響が少なく、前輪はフロントフォークが左右回転方向に動くので、ホイールが受けた風の影響がステアリングへ影響します。50mmハイトはまさにステアリングへの影響を意識して走る境界線のような気がします。リムハイトが35mm以下のホイールや、リムハイトが20mmくらいのホイールの方が、よりハンドリングへの影響は少なくなります。ロープロファイルのホイールも、横風や断続的に吹く風のバイクの走行への影響が無いとは言えませんが、前35mm、後ろ50mmなどの前後異形ホイールにすれば安心して走れます。

 

80mmリムハイトのホイールの、迫力あるディープリムホイールの乗り味はどうでしょう。縦方向の剛性がものすごく高く、パワー伝達効率は高まりリムの重さ分、低速域からの踏み出しが重いけどスムーズに加速します。横方向の剛性も高く、スムーズな路面でもストレスを感じる人もいます。そして前輪の場合はハンドリングへの影響も大きくなります。そして、80mmのリムの高さがもたらすのは、単純な面積の大きさからくる迫力だけではなく、真っ直ぐに走るのには向いているけど、クイックにコーナーを曲がるには、慣性力が大きくジャイロ効果がバイクを立てようと働き、直進安定性が増すので、バイクを思ったより倒し込んで対応するテクニックでカバーすることが必要です。ではでは。