クマさんのバイク専科

ビギナーライダーのペダリングの効率アップ!、パート3

人間エンジンがパワーを発揮するペダリングは、当たり前のことですけど、左右のクランクの先端に付いているペダルを、右脚と左脚が交互に踏み込みます。効率のいいペダリングを実現するために、ペダリングを見直しましょう。右脚側からペダリングの脚の動きや、ペダル軸の中心が描く円に沿って動く足に、加える力の方向やタイミングや大きさの、効率のいいペダリングを実現しましょう。360度動くクランクの位置を表すために、アナログの時計の文字盤を思い浮かべてください。足が一番高い位置になる上死点が12時の位置です。足が一番下になる下死点が6時の位置です。

 

クランクは12時の位置から6時の位置まで、ペダルにセットした足を踏み下ろせばいいと思っているライダーが多いでしょう。雑誌のペダリングの特集や、ネットのペダリングの情報で、上死点を足が越えたら素早く踏み始めて、クランクの長さをフルに使えるので、3時の位置までの踏み込みが効率よく踏めて、バイクを進ませる力に変換されて、有効なペダリングです。クランクの位置が4時を過ぎて、5時、6時の位置で、脚を強く踏み込んでもパワーの伝達効率が低下して有効ではなく、3時の位置を足が通過したら、脚を踏み込む力を抜いて、リラックス下状態で6時の位置を通過させるというペダリングが正しいという情報です。

 

それは正しい情報だけど、それを知ったから、意識をできたから、そういう効率のいいペダリングを、すぐに実現できるわけではありません。ペダリングで実際に発生しているパワーをクランクの位置ごとに測定してみると、脚をどう踏み込んでいるかが分かります。結果はトップ選手でも理想的と言われるペダリングに近いペダリングを実現できているライダーは少数でした。0、5秒とか0、8秒の間に1回転するペダリングの動作ですから、ビギナーライダーが、クランクの位置に合わせて、脚の力を発揮して、理想的なペダリングの脚の動きを、一気に身に付けるは難しいです。

 

いくつかの効率アップするためのポイントを理解して、意識して効率のいいペダリングへ近づけるよう。それを実現するには時間がかかるけど、トレーニングメソッドに取り組んでください。トップライダーでも、まず、上視点を足が通過して、実際に踏み込み始めるのは、2時の位置くらいからでした。クランクの位置が3時(地面と平行)になったら、クランクの長さをフルに生かして、脚の踏み込んだパワーを最も効率よくクランクへ伝えることができます。真上からクランクを見ると分かるのですが、クランクの12時から6時の位置の変化で、ハンガーの中心から、ペダル軸までの距離が変化します。

 

12時の位置ではペダル軸とハンガーとの距離は0mm、3時の位置へ向かってフルに伸びた位置で、クランクを真上から見るとペダル軸とハンガーの中心がクランクの長さそのものになり、3時の位置を通過して、6時の位置に向かって距離は短くなり、いくら強く踏み込んでもパワーの伝達効率は低下します。ビギナーライダーの場合、足が上死点を通過したら、なるべく早く下へ向かって、3時の位置へ向かって踏み始めた方が、ペダリングの効率が高まります。でも実際にはビギナーライダーほど、踏み込みの位置が2時過ぎで、3時に近い位置で踏み込んでいるのが分かりました。

 

しかも、4時を通過して、5時の位置でも脚を強く踏み込んでいて、さらに、6時の位置まで踏み込んでいる、ほとんどバイクの推進に力を使えない位置でも筋肉を使っていて、効率の悪いペダリングをしているライダーが多いのです。4時くらいの位置で脚の力を抜くことを意識しましょう。トップライダーは、4時や5時の位置では脚を踏み込む力を弱めて、6時の位置では脚をリラックスさせて通過させて、ペダリングする脚を休ませて、疲労しにくいペダリングを実現しています。

 

平地ではバイクやホイールの慣性を生かして、このペダリングでスピードを維持できます。上死点で足をスムーズに通過させて、クランクの回転スピードを低下させないために、10時の位置で足首の角度をキープして、かかとが上がった状態で、上死点に足が近づいたら、太ももの上下を意識して、太ももを軽く引き上げることを意識すると、スムーズに足が上死点を通過してから、脚を踏み込みの動作に素早く移れて、クランクを踏み込む区間がわずかでも長くなって、ペダリングの効率が高まります。

 

トップライダーはさらに複雑なペダリングテクニックを使って効率を高めたり、上り坂に対応するペダリングを実現しています。ビギナーライダーでは、これ以上の動作を意識してペダリングすることは難しいと思います。まずは、回転重視のペダリングを実現するトレーニングに取り組んでください。それから、2時の位置から3時半くらいまでの、足を踏み込む区間のイメージを作ります。さらに、上死点の足のスムーズな通過のために、10時の位置で足首の角度を保ってかかとを上げて、太ももを軽く引き上げる動作をマスターしてください。

 

これでだいぶペダリングの効率がアップします。50kmを越えて、100km、150km、200kmを走るには必要なペダリングメソッドです。効率のいいペダリングを身に付けるためのトレーニングを体験したいライダーは、8月、9月、10月開催の、黒姫高原るんるん合宿に参加して、フィッティングでポジションを最適化して、フィールドをライドしながら微調整して、ペダリングやライディングテクニックを身に付けるメソッドなどをアドバイスする、セミナーを体験してみてください。お問い合わせや参加申し込みは、「黒姫高原るんるん合宿」のホームページへアクセスください。ではでは。