クマさんのバイク専科

ワールドシリーズTAお台場大会、日本女子選手惨敗です!

15日早朝にお台場で開催された、オリンピック出場の枠を獲得するポイントのかかる、ITU(国際トライアスロン連合)のワールドシリーズの女子が開催されました。オリンピックのテストイベントですから、本番と同じく午前中の開催でしたが、気温と湿度を配慮して、ランは10kmが5kmに短縮されて開催されました。真夏に開催すればこうなる可能性はありました。2020年のオリンピックの本番では大丈夫なのだろうか。競技距離の短縮も検討しているという。

 

ITUは簡単にトライアスロンの距離を変更しているけど、マラソンが30kmになったりするのだろうか。コンパクトでアスリートファーストを標榜してのお・も・て・な・し&復興オリンピック・パラリンピックの誘致だったけど、気温が30度から40度になる可能性がある、1964年の東京オリンピックは10月だったけど、2020年の真夏のタイミングの開催理由はなんだったのだろう。コンテンツが重なると、放映権収入や、テレビの視聴率やスポンサー獲得にに関する。IOCは選手が安全に運動しやすい時期なんか軽視しているのだ。

 

高校生の夏休みにやる甲子園大会とは違うのだ。世界のトップアスリートは10月だってオリンピックなら、涼しくなりかけている日本へやってくるはずだ。アメリカやヨーロッパで開催されるビッグイベントと、被らない時期ってことで、IOCや広告宣伝を受け持つ会社の意向で真夏開催に決まったとすれば、アスリートファーストなんて言葉は、オリンピックを誘致する側のたわ言に過ぎない!。なんでアスリートの代表の委員会は、これはアスリートファーストではないと、声を上げないのだろう。

 

女子の結果は、イギリス選手がワンツーフィニッシュしましたが、競り合っていた選手がホームストレッチで手を繋いでフィニッシュして、ITUルールによって、意図的な同着狙いの行為として失格になりました。オリンピックの国別ランキングに関係する、個人のポイントがかかっているし、イギリスのトライアスロン代表を決める指定大会だったので、イギリスチームはお金を積んで正式に抗議しましたが、裁定は覆らず、3番目で11秒遅れでフィニッシュした、バミューダの選手が優勝となりました。

 

参加各国から異議が出ているのか、お台場のポディウムでの表彰式は開かれなかったそうです。スポーツ仲裁裁判所まで行く可能性があります。ITUは、51、5kmのトライアスロンを2000年のシドニーオリンピックの正式種目へ採用される働きかけの段階で、ルールを厳格化する必要性を感じていました。バイクのドラフティング走行のペナルティをなくして、レース展開をスマート化するために、40kmのバイクでのドラフティング走行を解禁しました。フィニッシュで選手が手を繋いだり、ロングディスタンスのフィニッシュのような、子供や家族を連れてのフィニッシュなどを規制して、その後に重いペナルティを課して競技性を高めのちにるようになりました。

 

アメリカで生まれたトライアスロンは、アイアンマンシリーズのロングディスタンスのトライアスロンと、スイム1、5km、バイク40km、ラン10kmのUSTSのショートトライアスロンシーリーズとして発展しました。後にITUの独自のロングディスタンスのトライアスロンが設定されます。いずれも、誰の力も借りないで、自力で走りきるというスピリットが貫かれました。しかし、40kmの1車線のバイクコース上では、縦方向も横方向もドラフティングゾーンが設定され、ドラフティング走行が発生して、追い抜きのルールや、ドラフティングの範囲も厳格に決められていましたが、力が拮抗しているトップ選手のレースでは、優先権などの判断など難しい状況が発生しました。

 

モーターバイクに乗ったコースマーシャルによる、警告やペナルティの発生が多発して、レース展開を大きく左右したり、時にはトップを走る選手がトランジションエリアで止められて、失格ということも起こりました。トライアスロンのウエアの規定も変わります。上半身裸は許されなくなり、セパレーツのウエアも禁止されて、ワンピースのトライアスロンウエアとなりました。トライアスロンウエアは、ITUのワールドシリーズ、世界選では、ナショナルチームウエアが支給され、選手の名前と所属国の略号がプリントされ、ナショナルチームスポンサーのロゴが入ります。ワールドシリーズや世界選では、個人スポンサーロゴや所属チーム名が入ります。

 

2000年のシドニーオリンピックでの実施に向けて、日本のワールドカップシリーズから、突然、ドラフティング禁止レースから、ドラフティング許可レースにルール変更されて、レース展開が変わりました。スイムで上位の選手が集団で逃げるか、追い上げるメイン集団が負担が少なく有利かという、レース展開の試行錯誤になりました。バイクは、ドラフティング走行になって、スイムでの優位性が生きるのか、生きないのかという判断が難しくなりました。特にお台場のようなイージーで平坦なバイクコースでは、空気抵抗を少人数で分担する小集団の逃げは不利です。集団のエネルギーは大きく、しかも負担を大勢で分散できるので、タイム差があって追い上げるにしても有利です。

 

スイムの上位でフィニッシュした小集団のバイクの逃げは、バイクの後半でダメージを受けて大集団に吸収されることが多く、たとえバイクを逃げ切っても、空気抵抗による負担を受ける時間が長いので、脚を消耗してランに入ります。大集団で脚に余裕がある選手に追い上げられて、ランでの逃げ切りは難しくなります。ドラフティングレースになって、スイムの得意な選手の優位性が一時は注目されましたが、必ずしも小集団による逃げが有利と言えないレース展開に直面しました。

 

出遅れのない泳力、バイクの高速の集団走行の中で脚を温存できるだけのバイクの力と、男子選手なら、サラ脚で1万mを30分、できれば29分で走れる脚力がないと、上位入賞が難しくなっています。

もっと厳しい目で見れば、51、5kmのトライアスロンの世界チャンピオンになるには。日本の競泳の1500mのファイナリストに入り、

日本選手権のロードTTでトップ3に入り、日本選手権陸上の1万mでトップ5に入れる力を持たないと、世界選やオリンピックで優勝の可能性はない。そんな日本人選手は存在していない。

 

女子選手でも1万mをサラ脚で32分で走れる脚力がないと入賞が難しくなっています。もちろん、2020年の本番の炎天下では、スイムとバイクで体力を削られているし、走るコースはトラックではないので、持ちタイムを発揮するのは不可能ですが、自脚を持っていないと戦えません。バイクは集団でフィニッシュして差がなくなったように見えますが、バイクの集団の高速走行の中で、バイクの弱い選手は脚を消耗して、ランで持ちタイムを発揮できないというケースもあります。だから、いくらランを強化しても力を発揮できないのです。バイクの基本スピードを向上させて、余裕を持ってバイクを終了しないと、上位入賞は不可能です。

 

地元開催で期待された日本人女子の最上位は23位とプレオリンピックに相当する大会は惨敗しました。高温多湿に日本人選手が強い、有利というのはない、ということは結果が示していると思います、そんな話は思い込みに過ぎません。日本人女子選手は、ワールドシリーズやオリンピックで入賞圏内を走っている実績があるので、地元開催の大会で期待されましたが、出場枠を決めるポイントがかかっているし、2020年のオリンピックのコースなだけに、世界ランキングの順に優先権があって選ばれている各国の代表選手も、マジに調整してきているはず。

 

参加30カ国の出場メンバーは世界ランキング上位者のエントリーが優先されるので、今回の大会は参加メンバーいいので、やっぱり世界選やオリンピックのような、1カ国の代表が3人に絞られる大会より、トライアスロン強国のレベルの高い選手が多く参加するので、厳しいレース展開の大会になりました。注目されたお台場海浜公園のオープンウオータースイム会場であり、トライアスロンのスイム会場の、大腸菌の数と、トイレ臭い海水は、数日の違いですが、15日の公式発表では、大腸菌は基準以内だったそうです。オープンウオータースイムの時は基準を上回っていましたが、トライアスロンの日は大丈夫だったそうです。本当なのか?。

 

もちろんトイレ臭さや、入水した手が見えないという濁りは全く同じだったそうです。トライアスロン参加選手の一部からは、会場の変更の要望のアピールがあったようですが、主催者側の公式見解では基準をクリアしているということのようです。昨年の夏に実施されたという長期の水質調査では、競泳とトライアスロンの基準が少し違うようですが、その間に測定された大腸菌の数は、トライアスロンの基準の7倍から21倍だったそうです。生活排水が東京湾へ流れ込む側からの、大腸菌の流入を避けるフェンスが設置されれば大丈夫なのだそうです。

 

ただし、降水量によっては浄水場の処理能力を上回り、トイレの水も含んで下水が東京湾へ繋がる川へ浄化されないで放出されるので、大腸菌の量が増えたり、アンモンモニア臭が増す可能性があり、水連やトライアスロンの基準を上回る可能性があるという。それが、オリンピックやパラリンピックの実行委員会の公式見解です。特殊なフェンスを3重にして流入口に設置して、下水に混ざる大腸菌の流入を防ぎ、お台場での開催を強行することになりそうです。明日はエリート男子のトライアスロンが、朝7時30分スタートで開催されます。各国チームがかなり本気で合わせてきているので、日本人選手の30位以内は難しいのかな。パラリンピックのトライアスロンや、男女混合リレートライアスロンも17日と18日に開催されます。ではでは。